コラム「猫の手も借りたい」№29 予期せぬ出来事 上

毎朝私は、C公園の脇を通って通勤している。C公園にもご多聞に漏れずノラ猫はいるが、公園付近の猫たちの面倒をみる方々がいらっしゃるので、様子を見ながらかよっていた。 ある日、C公演に差し掛かった時「黒い物体」が公園の中を横…

コラム「猫の手も借りたい」№28 猫の手を借りてる

さて、私の近所(シマ)の「地域猫事情」はあれから(約1年前から)どうなったか。 昨年(2010年)夏に一緒に猫たちに餌やりをしていた「おじさん」が亡くなり、11月に私の知人に、アパートのおじさんの部屋に引っ越して来て貰っ…

コラム「猫の手も借りたい」№27 「捨て猫」

このところ、「捨て猫」の話しをよく耳にする。 割りと馴れた、比較的栄養状態も健康状態も悪くない、生後数週~3ヵ月くらいの子猫が同じ場所に日を置いて捨てられたり、昨年も今年も何回かやはり同じ場所に捨てられた、ということもあ…

コラム「猫の手も借りたい」№25  事情聴取  下

もう一度暗い中確認した。やはり、光が漏れる交番の裏口から出入りしている。その空き地は高い金網の「フェンス」で囲まれているので、裏口には近づくことが出来ない。 私たちは、交番に声を掛けた。「すいません、先日お邪魔したボラン…

コラム「猫の手も借りたい」№24  事情聴取  上

子猫の保護依頼があった。 依頼主さんのお話しでは、交番の隣の空き地に2匹のグレー色の子猫がおり、保護して里親さんを探してやりたいがすばしっこくて捕まらない、とのこと。早速、依頼主さんの案内で現地を下見に行った。 夕方、交…

コラム「猫の手も借りたい」№23  うらめしや~ 下

決めたけど、さて、果して彼女は上手くトラップに掛ってくれるのか・・・仕掛けた時はドキドキもんだったが、何と運良く掛ってくれた。もっとも前回の捕獲から丸4年は経っていたから上手く行ったのだ。これが、術後すぐだととても無理で…

コラム「猫の手も借りたい」№22  うらめしや~ 上

3・11の震災は無事乗り越えた私のシマの猫たちだったが、月が終わる頃、いきなりくーちゃんが来なくなった。私が帰宅した時には「ごはん~」と庭におり、変わった様子はなかったが、2時間後の22時にはすでに姿がなかった。 くーち…

コラム「猫の手も借りたい」№21 地域猫の避妊・去勢手術 下

さて、「猫の捕獲(保護)」についてのお話し。 捕獲器は「餌」をオトリにして捕まえる形式のトラップなので、猫たちにはお腹を空かしておいて貰わなければならない。捕獲が決まったら1食分、餌は与えないようにする。捕獲後はどの道手…

コラム「猫の手も借りたい」№20 地域猫の避妊・去勢手術 上

私はご近所の方たちと一緒に、この5年くらいの間に、近所のノラ猫たち20数匹ほどの避妊・去勢手術をした。 まず、私の「餌やり区域(シマ)」の猫たちを最初に手術した。しかし、それだけでは安心できない。私のシマの周りの猫たちも…

コラム「猫の手も借りたい」№19   3・11  下

人の波をかき分けて、JR新宿駅南口で車の友人と合流出来た。もう 1人板橋に帰る友人も同乗しており、計3人で顔を見合わせほっと一息。 さて、やっとの思いで合流したはいいが新宿から車が抜けられない。 JR新宿駅南口から西口の…

コラム「猫の手も借りたい」№18   3・11  上

あの日、私は渋谷の職場で被災した。ビルの4階にいたが、耐震性の高い新しい建物だったから、部屋の中では倒れた什器も棚から落ちたものもなく、難を免れた。 東京はご存じのとおり、鉄道各線は地震直後から全面ストップ、夜も遅くなっ…

コラム「猫の手も借りたい」№17   被災の地で

「3月11日」は、私たち日本人には忘れることの出来ない日となった。 東北地方太平洋沖を震源とする地震が起こり、それは大きな津波の被害をもたらした。私は東京の職場で被災したが、その数時間後から続々と寄せられる被災地の映像は…

コラム「猫の手も借りたい」№16    里親会

このところ、あちこちで「犬・猫の里親(譲渡)会」が行われている。行われている場所はいろいろであり、犬は、飼い犬が迷ってしまって保護されたり、あるいはいろんな事情で飼い主が飼えなくなった子たちの里親を見つけるためだが、猫は…

コラム「猫の手も借りたい」№15   正月明け 下

不動産屋さんとの契約も何とか完了し内装も急いで貰って、知人の引越しが出来たのが結局11月初旬だった。隣近所の挨拶回りや、設置工事などでしばらくは人通りがあるので、猫ハウスは直ぐには戻さず様子を見た。

そもそも単身者向けのアパートは、お互い隣近所の顔を知らないというケースがほとんどだが、おじさんのお隣さんはけっこう気を使って下さる方でご挨拶が必要だったし、隣だけして階下の方に挨拶しないというのも気が引けたので、アパートの皆さん3軒に挨拶していただくよう段取りし、私が引越し蕎麦代りの簡単な品物を用意したりして知人に回って貰った。

さて、そもそも猫たちはおじさんには馴れていたが、私の友人には馴れていないから、果たしてアパートに戻って来るのか半信半疑ではあったが、寒くなり別のネグラが見つからなければ必ず戻って来ると私は考えていた。

いよいよ猫ハウスを戻すことにし、けっこうくたびれてはいたが以前に撤去したハウスをそのまま置いた。自分たちの匂いが付いたものの方が、スムーズに早く戻る可能性が高いのではと、敢えて新しいものにはせず、少々の補修をしただけで元の場所に置いてみたのだった。

お陰様で、正月明けの現在、すべて猫たちは戻って来ている。見えないけどおじさんが導いてくれているのかも、とも思う。越して来た知人が「今日は玄関先でキジトラの女の子をみた」とか、観察して情報をくれているので安心でもあった。大寒波が到来したが、みんな何とか元気で食欲も落ちず毎日を過ごしており、夏からの長丁場であったがやっとのことで何とか落ち着き、胸を撫で下ろしている今日この頃なのである。何度か「こりゃ無理かも・・・」と思う展開もあったが、諦めずに粘った甲斐があったというものだ。

ところで、このところ以前と事情が変わったことがある。「コラム№2外猫の食事タイム」で書いたが、おじさんにご飯を貰えなくなった猫たちが、ご飯を貰いに私の自宅に徒党を組んで押し寄せるという困った事情があったのをご記憶だろうか。残念ながらおじさんは亡くなってしまいハウスも無くなったので、これがますますエスカレートするかと思いきや、昨年の秋頃からだったか、少し事情が異なって来た。

拙宅の庭はずっと2匹のメス猫がなわばりにしているのだが、新顔が現れた。これは以前からうちの北側の川近くで見かけていた茶白のオスで、昨年夏頃からうちの庭に現れるようになり、私も最初はどうしたものかと様子を見ながら考えあぐねていたが、庭にいるレギュラー猫たちのご飯を奪ってしまうので致し方なく給餌に踏み切った。この茶白くん、体格の良いオスで近隣に幅を利かせており、この茶白くんを恐れレギュラー2匹以外の猫が拙宅の庭に入って来れなくなってしまったのである。なので、うちの庭はかなり静かになり落ち着いて来た。このように、なわばりを持つ猫属は、オスが自分のなわばりを守るため他の猫をシャットアウトしてくれるわけである。これもオスを去勢手術するとなわばり意識が弱くなってしまうケースが多く、そうすると他の猫の侵入を防げない場合もあったりし、オス猫同士の力関係やいろいろな状況を踏まえた上で手術を考える必要がある。今回も、もしレギュラーの2匹がうちの庭から追われるようなことになるなら、この茶白くんは手術せざるを得なかったが、彼はうちの2匹のお嬢ちゃんたちと折り合いを着けてしまった。今のところ、このまま見守って行こうと思う。

そろそろ、猫たちの恋の季節の到来である。メスはこの時期から妊娠し始めるので、避妊手術を考えている方は一刻も早くしないと妊娠する危険はあるが、1年で寒さが一番厳しい折でもあるので手術するにしても十二分の注意が必要である。妊娠したメスたちが出産するのは約2ヶ月後、そう約60日後である。「え゛、そんなに早いの!?」、はい、そんなに早いんですよ。メスを見て「あれ、肥った?!」と思った時点で大方3週間後くらいには子猫が産れてしまい、ゴールデンウイーク前後に生後2カ月くらいになったのがわらわらと現れるのである。

2011年/2月某日 くどいけいこ  

コラム「猫の手も借りたい」№14   正月明け 上

お正月もとっくに過ぎ、年末年始の休みもあっという間に過ぎ去った。その間ご挨拶もせず、コラムも更新せず失礼致しました。本年も くどい の「猫の手も借りたい」、どうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、暮れから寒い。なんとい…

コラム「猫の手も借りたい」№13    ブチ 下

 こんなブチであったが、しばらくするとドクターや看護師さんに馴れ、問題なく触れるようになり「危険 咬みます」の貼り紙は外された。ドクターに伺うと、前1面のみしか開いていないケージに入れ接していると、大概の暴れん坊も大人し…

コラム「猫の手も借りたい」№12   ブチ 上

私がノラ猫の給餌を始めたのは、5~6年前と記憶している。一番最初に避妊・去勢手術をしたのは、白黒の「ハチワレ」模様のメスで「オミー」という。この子は今でも健在であり、そのオミーの兄弟にオスの「ブチ」がいた。 この2匹は例…

コラム「猫の手も借りたい」№11 飼いねこの外出

うちで飼っている猫は、「室内飼育」をしており、外出はさせていない。 うちの猫(メス;推定10歳)は5歳くらいまで「ノラ」ちゃんだった。色々あって、うちの子にしよう!と決め、一番最初にした事は避妊手術だったが、病院で「手術…

コラム「猫の手も借りたい」№10    タヌキ

一昨年(08年)だったか、うちの近所に「タヌキ」が現れた。もうびっくり! 夜の餌やり中で、自宅の裏の通りを歩いていたら、いきなり、大きな猫くらいの動物が5メートルほど先を横切った。あれ~、何だ??と思った。 その「大猫」…

コラム「猫の手も借りたい」№9   ねこのごはん

「飼いねこのごはん」は選択がなかなか難しい。 ペットフード屋さんに行くとわかるが、猫のフードコーナーは犬のそれより種類が断然多い。以前に店員さんに質問したことがあったが、その答えは「猫の方が犬よりフードの好みがうるさい(…

コラム「猫の手も借りたい」№8 深夜の小声バトル 下

ご婦人「あなたね~、餌をやって、猫増やしてる人って!!」 と言われて、「(ちょっと待てよ、この言い方は近所の誰かからそんなふうに聴いてるな?!)」って思った。 私「基本的に猫の避妊・去勢手術は済んどります」 ご婦人「知っ…

コラム「猫の手も借りたい」№7 深夜の小声バトル 上

私はこのところ、猫たちにご飯を与えるのは、夜10時前後にしている。 冬場はもちろんのこと、夏場でも夜10時を回ると、人通りがぐっと減ってくる。隠れてご飯を与えるつもりはないが、道を行く人は道路でうろうろしている私を見て、…

コラム「猫の手も借りたい」№6    子猫ノエル

自宅から自転車で2~3分の友人宅に向かう時のこと、いつも通る道の脇の駐車場で、カラスの声が聴こえた。けっこううるさく鳴いている。「あれ~??」と不思議に思い、自転車を止め覗いてみると・・・、まず「赤」が目に飛び込んで来た…

コラム「猫の手も借りたい」№5    1日50円

高齢の方で、猫に餌やりされている人は多い(と思う)。その中でもいろいろな方がいらっしゃるであろうが、月々の年金の中から餌代を工面して与えてくださっている方もけっこういらっしゃる(と思う)。「猫が可愛くて」とか「猫が可哀想…

コラム「猫の手も借りたい」№4 ルーツといきさつ(下)

さて、話は十数年ほど前に遡る。 地主さんの近所で、老夫婦が1匹のメス猫を飼っており、昔のことだから猫は放し飼いにされていた上、避妊手術もしてはなかった。老夫婦はやがて高齢になり、息子さんの元へ行くため、この地を離れること…

コラム「猫の手も借りたい」№3 ルーツといきさつ(上)

そもそも、この近隣の猫たちには、近所の数人が餌やりをして下さっていたらしい。ほんの道路2本ほどに挟まれた場所のことです。 4年前(2006年)のGW明け、近隣に子猫が溢れた。調べてみたらば3匹の母猫から5匹、4匹、3匹と…

コラム「猫の手も借りたい」№2  外猫の食事タイム

隣の道路沿いのアパートのおじさんも猫たちにご飯をあげてくれている。 猫たちは、1ヵ所ではなく複数の餌場を持ちたがる。そりゃそうだ、誰だってセーフティは欲しい。外で暮らす猫たちでは、なおさら、でしょう。 そのおじさんが体調…

コラム「猫の手も借りたい」№1

今夜もいる。猫たち、うちの前に・・・ 困った、またお隣のお婆ちゃんが「餌やらないでよ!」と叫ぶかな。 困った、困った、今はまだ時間が早いから3匹、でも遅くなると更に4匹くらい集まる。計7匹。頼むから私の顔見ても鳴かないで…