コラム「猫の手も借りたい」№3 ルーツといきさつ(上)

そもそも、この近隣の猫たちには、近所の数人が餌やりをして下さっていたらしい。ほんの道路2本ほどに挟まれた場所のことです。

4年前(2006年)のGW明け、近隣に子猫が溢れた。調べてみたらば3匹の母猫から5匹、4匹、3匹と生まれてた。計12匹。それはそれは凄かった。そこら中、子猫がうろちょろしてた。私も近所の人もみんなびっくり!

その中の一家族に、キジトラの母子がいた。そのキジトラ母は突然私の前に現れ、ガリガリに痩せて顔が獅子舞のお獅子のように四角くみえるのに、乳房は吸われた跡があり、そうこうしているうちに子猫3匹が姿を見せた。

キジトラ母は食べ物を求め、ちびっ子たちを連れ道路を渡って生ゴミ置き場に行く。車の往来があり危険極まりない。そもそも生ゴミは食べられないし事故に遭ったら大変と、道路を渡らせない場所で餌やりに踏み切った。ご飯を食べ終えた母子は、毎日細い細い私道を戻っていき、食事時以外はどこにいるのか判らない。ある日、思い切って彼らに着いて行ってみた。

ちょろちょろ走るちびっ子たちの尻尾を追いかけ、よそ様の出窓のすぐ下を屈んで通る、さらに窓が開けられた網戸の前をひやひやしながら横切る。人ひとり通るのがやっとの狭い道だ。もちろん舗装もされていない。さあ、その道を抜けた先は・・・ 静かな陽当りの良い広い場所。突き当りで車が入れない、住宅に囲まれた静かな一画があり、そこに母子や、なんと毎日餌やりをしている「他の猫たち」の姿もあった。

それからは、その場所にご飯を持って行き、与えるようにした。そうしているうちに、その場所の地主さんと知り合うことが出来た。地主さんは私と同世代の姉妹お二人で、お二人からこの猫たちのルーツといきさつを詳しく聴くことが出来た。続きます。

2010年/7月某日 くどいけいこ