コラム「猫の手も借りたい」№1

今夜もいる。猫たち、うちの前に・・・ 困った、またお隣のお婆ちゃんが「餌やらないでよ!」と叫ぶかな。
困った、困った、今はまだ時間が早いから3匹、でも遅くなると更に4匹くらい集まる。計7匹。頼むから私の顔見ても鳴かないでね。

とりあえず、3匹をかわして家の中へ。うちの猫が甘える。「帰り早いねー」って顔。一瞬近寄っては来るが、はっとした顔、「ひょっとして病院?」といきなり身構えられた。今日は病院じゃないよ~、大丈夫だよ、と言いながら彼女の食事を用意、投薬があるため、缶詰を1匙。朝から置いていたドライフードは、既に空っぽ。ダイエットのために量を減らしてるから致し方なし。食事を置き、水を替える。この時も部屋の電気は点けられない。他の4匹に私の帰宅を勘づかれるもん。

うちの猫の食事が終了、続いて外にいるであろう3匹の猫たちのご飯の準備。缶詰とドライフードを混ぜたものをこしらえる。缶詰を「パッカン」なんて音たてて開けようもんなら、もう外で「ちょうだい、ちょうだい」が始まるから要注意、静かに音無しの構えです。3匹分を用意し終え、玄関をそっと開けるとドアの前では3匹がん首揃えて「ニャー」、静かにして、お願いよ!
お隣のお婆ちゃんから見えないところまで3匹を誘導、ご飯を与える。食べ出したら静か・・・
猫たちがうるさいのは、ご飯をねだる時だけ。貰ってしまえば本当に静か。闇の中にドライフードを噛む「カリリ、カリリ」という音だけが響く。は~、神経使うよ、まったく。

家の中に戻っても、階下の電気は点けられない。3階に上がって、やっと部屋の電気を点けて、部屋着に着替える。階下のキッチンは使えないからお弁当、とほほ。テレビも小さい音でつけ、私の食事。そうしていると、うちの猫が階段をとことこ登って膝に来る。ごめんねー、あなたも割食うよね、下の階で遊びたいでしょうに。
そのまま3階で過ごす。今日は「PAT定例会」の議事録起こし、里親会のチラシ作成、などする。インターネットは階下にあるため使えない、ったくもう、無線ランにするっきゃない?!

そうこうしているうちに時計が9時半回った。さて、他の猫たちのご飯の時間だわ。私の帰宅が夜遅い場合は、7匹が一気に押し寄せて、どうしようもない。うちの中でご飯の準備をしている時間が待てないのか、1匹が鳴くと全員で合唱、こらこら、ご近所の迷惑だってば。仕方ないから、近くの友人宅でご飯を用意し、帰り際、そのまま与える。今夜も友人宅に行ってご飯用意して来よう。ちょっとの気配でも猫たちは気が付くから、その方が安心だわ。おまけに、さっき貰ったはずの3匹もちゃっかりご飯を貰う列の後ろに並ぶしさ。

さっと玄関から出て、「あら、居たの!?」という顔の4匹をかわし、友人宅へ直行。ご飯を準備し、また、うちへ戻る。猫たちは、ご飯を貰えば満たされたお腹で三々五々、闇に散って行く。やれやれ、やっと今日も終わった・・・  猫の手も借りたいよ、ホントに。私ったら一体なにやってんだろう。 

2010年/6月某日 くどいけいこ