コラム「猫の手も借りたい」№306 尾を引く置きエサトラブル 下
紙皿の置きエサは依然としてなくならなかった。
私は夜1回、ムギちゃんにはお腹いっぱいのフードを届けていたが、食後3時間もしたら食物は消化され、ムギちゃんはまた食べることができる。
私のエサやりを知っているご近所さんからも、私のエサを待っているムギちゃんをたまたま見かけ「早くあげて、お腹空かせてるじゃない!」と急かされたこともあったし、朝もあげてよ、などとも言われた。
その時はちゃんと説明しますが、食べた後数時間でネコはまたお腹空いちゃうのであって、欲しがるからといってその都度都度与えてしまうと、当然体重増加で肥満になってしまう。
ネコの様子を見ながらバランスの取れたフードを食べさせているのであって、空腹だからとのべつ幕なしに食べさせるのは考えものなんですよ、と。
紙皿の誰かさんも、このご近所さんと同じに考えているんではないか、と思う。
私は「エサは毎日あげているので、安心して」とメモには書いたけど、「だってお腹空かしてるじゃない!!」と思っているんだろうな。
4~5日も紙皿が置かれたあと、私は決心してお手紙を書いた。
しばらく様子を見ていたが、このムギちゃんがネグラを借りているらしい、置きエサされているお宅は「おおらか」なのか「無関心」なのか、全く反応がないように見受けられた。
だから私は、ムギちゃんと関わりエサやりをしているイキサツや状況、年齢や性別、不妊手術の有無(耳カットなしです)、続けて、エサやりのルールを守らないと起こりうる危険な状態などなどを、私の名前と電話番号を明かし、所属のNPO法人の名も入れて面々と書かせていただいた。
最後に、私はこのネコにエサをあげる権利も義務もないが16年も関わってきたので、エサやりを任せていただけないか。
お腹を空かせていて可哀想と思われているのならそれは大丈夫、痩せてもおらず、健康状態は悪くない旨をお知らせし、もし可愛いからとエサがあげたいなら、一緒にお願いできませんか?と結んだ(ホントは替わって欲しい!?💦)。
A4用紙2枚にも及ぶ内容になったため、封筒に入れ表書きには「エサをあげてくださっている方へ ありがとうございます」としたため、庭の紙皿の上に置いた。
数日後、この手紙はピックアップされ、紙皿の置きエサはなくなった。やれやれ2。
ひょっとして「一緒にやらせてください」と電話があるかと期待して数日は待ってみたが、残念ながら空振りであった。
私は、今までは人通りの途絶えた夜の時間帯をあえて選んでエサやりしていたが、少し時間を早め通勤帰宅時間帯に切り替えた。
このところ「置きエサ」が少なからずあり、ムギちゃんの存在はクローズアップされて来ているだろうから、ちゃんとフードもらってるんだ、と思ってもらった方がこの子のためかもと思ってのことである。
ムギちゃんも高齢だから、このエサやりもそう何年も続けることはないだろう。
無事に毎日が過ごせるように寄り添って行きましょ。