コラム「猫の手も借りたい」№273 なんてこったい!

ここ1ヶ月ほど、バタバタの日々だった。
おっと、お陰さまでネコたちはみんな元気です。

実は、私の母は山陰の高齢者施設で日々を送っている。
認知症を発症しているし車イスでもあり、実家から歩いて数分の高齢者施設でお世話になり、すでに3年が経過しようとしており、穏やかに日々を過ごしていた。
ところが、5月下旬、その施設が閉鎖されることになったと連絡をいただいた。
なんでもスタッフ不足が深刻らしい。
わお、なんてこったい! まさに青天の霹靂とはこのことであった。

さて、それから約1ヶ月、新施設を探して決め、引っ越し準備を進め、今月頭に引っ越しを終えることが出来た、やれやれ、ほっと一息である。

ここ数年、コロナに見舞われているので、面会もほとんど叶わず、ましてや暮らしている状況や室内も覗き見ることは出来ず、新施設に移るにあたり主治医が替わるため母の受診に付き添ったが、何を聞かれても「わかりません…」しか応えられず。
私が付き添う意味があるのか? 本当に厄介なことである。

母親が実際にどんな日々を送っているのか、なんの洗髪料を使っているのか、ハンドクリームはどれ? などまったくわからない。

母は認知症もある程度進行しているので、「引っ越し」が飲み込めない。
直接話もし、経緯を書いた手紙も渡し、担当の介護士さんからもお話しいただいても当日は、「相談もないんだから」と困惑していた。
荷造りが始まっても横で見ている母は「それはおいといて、それもおいといて」と言う。
「お母さん、おいとくもなにも、みんな持ってお母さんも一緒に行くんだよ」と、介護タクシーに乗り込んだ。

新施設でも不安げ、致し方ない。
私は引っ越しの日、帰京する日に、それぞれしたためておいた手紙を手渡し、帰京後もすぐに手紙を書いて投函した。それくらいしか遠方にいる私には母の支援をする方法がない。

幸いにも母は、食事はほぼ全量食べ、睡眠もとれているとのこと、それだけ聞いてもちょっと安心。
以前から「なにかすることはないですか?」母はいつもそう言って、施設のスタッフさんのお手伝いを申し出ていたが、新施設でもそれは変わりない。それでは、と七夕飾りをお願いしました、と担当スタッフさん。
よかったわ、お母さん。

少しでも早く慣れて、穏やかに暮らしていって欲しいものである。

って、ながいー、すいません、私事でした。

さて、そんなこんなで何回か実家と東京の自宅を往復し、留守宅のペルや外ネコのムギちゃん、補液受診が必須のトラミちゃんは、友人にお願いした。
一番手のかかるトラミの受診も申し訳ないがお願いし、友人は「任せとけ~」と。
ありがたや、本当にありがたい。

ペルもべったりさんなんで、友人にまとわりつき、うちに泊まって早朝にトラミの世話に帰る友人にお腹を見せ「なでれ~」とごろんごろんするんで参ったわ、と友人。

母が落ち着いてくれ、私も安心して日々を送れるようにならないとなぁ。

2023年7月 くどいけいこ