コラム「猫の手も借りたい」№256 花火NG

この22日(土)の夕暮れ時、北区では花火が打ちあがった。
6時から7時までの1時間。3年ぶりの花火であった。
うちは、花火会場から近いので自宅のベランダから見ることができ、これが特等席である。もっとも、花火のど真ん中に、お隣のパラボラアンテナがバッチリ入りますが、ま、そのくらいどぉってことない。

キレイですよね、花火。
近年の花火技術はどんどん進歩、色や形、花火の合わせ方で、いわば演出と呼べる(たぶん呼んでると思う)構成に、惚れ惚れする。
私は、3年ぶりの秋の夜空の祭典に、も~興奮して、思わず拍手。

さて、うちの相棒のペルも一緒に花火を楽しむ、訳はない。
元々、大きな音や通常と異なるシチュエーションが起きると警戒するのがネコさん。
まあ、自分の身を守るため身に着いた本能ではないだろうか。

花火一発目のペルの反応……どーん、という音にびっくり、天井を見上げます。
次のどーん、もう「なに!なに?」って感じで落ち着きをなくし、そのうち始まったドンパチドンパチ(怖い方たちの銃抗争ではありません)、シャラシャラシャラみたいな音に、一目散に階段を駆け上がり、私のベッドに潜り込む。やれやれ、やっぱりダメだわ、ペルったら。

花火は10分くらい続くと、同じくらい休憩?があり、静かになる。
とたんに出てきて、やれやれ、の顔。
私は、ベランダで次を待っているのでベランダ近くまでやってきた彼。
いつもなら、出して~、とくるが今夜は要求なし(どの道出さないけど)、警戒心満載である。
また、次が始まると、ぴゅーっとベッドへ。

しかし、花火は美しい。あの、すこーんと空に抜ける大きな音も花火独特で魅力的だ。
打ちあがる時にする「ひゅ~」という音、これは花火に「笛」が仕込んであり、その音だそうな。
これは私が子供のころからするから、昔からあるのだろう。面白い趣向だ、と思う。

私は1時間たっぷり楽しんだが、ペルはベッドを出たり入ったり。
この時間って、ペルの食事タイムだし、私も夕飯作りをしなくちゃならないが、結局1時間ずれ込んだ。
7時に花火が終わった時には、お腹空いた~、とペル。

まず、彼の食事(投薬もあるのです)、次に急いで自分の分。そうこうしているうちに、ムギちゃんの食事タイムになるが、この日はやはりずれ込んだ。ごめんなさい、ムギちゃん。

年に1回の、それも3年ぶりの花火、私は堪能したが、人以外の動物には、おそらく迷惑な所業なんだろうな……

ペル、まあ、次は一年後だし。

2022年10月 くどいけいこ