コラム「猫の手も借りたい」№255 うちの植物事情
植物は苦手である。
花粉アレルギーもあるにはあるが、そんなことより私はなぜか植物に興味がない。
実家にいる頃は、家庭菜園も庭もあったが、いかんせん触ったことがなかった。
輪をかけてペルには植物は厳禁、以前室内の観葉植物の葉をかじって、中毒になってしまったので、今は我が家の観葉植物は、全部ワイヤーネットで手作りした囲いの中に入れている。もちろん、切り花は諦めている。
さて、その中で私が大事にしているのが「胡蝶蘭」、毎年春になると紫の花を咲かせてくれ、初夏まで楽しむことができる。
この胡蝶蘭は、実は仕事場から持ち帰ったものである。
仕事場にたまたま一鉢、胡蝶蘭があった。
誰かが適当に世話(水やりですね)をしていたらしいが、誰か、というのは曲者で気をつけないと、ダブっての世話で根が腐ったり、実は誰もやっていなくて、枯れてしまった、というのはよくあることだ。
これは動物も同じで、何人もの目があるご家族に譲渡したら、誰かが見ていると思いきやそうではなく、重篤な病気が見逃された、という事例も発生している。
胡蝶蘭に話を戻そう。
植物が苦手な私は、職場のカレンダーに印を付けて、水やりをすることにした。
幸いにも日光の当たり具合や、冬場の鉢の置き場もよかったのか、胡蝶蘭はずっと枯れることなく春には花を付け続け、私は数年前にこの胡蝶蘭を自宅で引き取った。私が世話を始めてからもうかれこれ、10年くらいになるのではなかろうか。
実家の母は植物好きで、一時期は父に温室まで作らせて、たくさんの鉢を愛でていた。
母は、蘭は欲しいが高いし、それに難しい、といつも言っていた。
私の職場は胡蝶蘭が入手しやすかったので、一度小さな鉢の胡蝶蘭を抱えて、飛行機で持ち帰ったことがあった。手荷物で機内に持ち込んだのである。
母はとても喜んで世話していたが、持って帰った翌年は咲いたが、そこまでであった。
私がやっている胡蝶蘭の世話は、直接日光に当てない、カレンダー通りの水やり(これは変わらない(笑))、枯れた葉は取り除き、時々の声かけ、偉いね/頑張るね/すごいね、と褒めることくらいであり、肥料もやらない。
それでも、すでに10年もの永きに渡り胡蝶蘭は緑の葉を保ち、春には蕾を付け、次々と花を咲かせてくれる。
よもや、水やりだけで10年も蘭が咲いてくれるなんて思ってもみなかったので、今となってはなんとしても守らないと、という思いだが、それだって定期的な水やり以外には思い付かない。
とにかくカレンダーの印を忘れない、というのも私のミッションである。
まあ、「声かけ」もいいのかも(^_-)-☆