コラム「猫の手も借りたい」№252 もうすぐ秋だよ
8月下旬、いつも通りムギちゃんのエサやり。
珍しく、空き家の前に姿がない。
いつもなら、私の姿を見ると鳴きながら駆け寄ってくるのに……
近寄ってみたらば、空き家の中で動きがあったので「いるな」と思ったら、いきなり嘔吐の音が聞こえた。
え、え、えっと、独特の吐き音を立てながらネコは吐く。
吐きながら空き家の奥に移動する彼女が見えた。
あら~、としばらく見守ったが、さてどうしようもない。
出直してくることにし、いったん帰宅した。
2時間後、再び行ってみた。
姿は確認できたが箱を作って座っており、食べ物には見向きもしない。
困ったなあ、どうしてやったもんか……
しばらく様子見をしていたが、その日は諦めて帰った。
翌日、心配で明るいうちから行ってみたら、なんといつもいないのに、空き家の中の入り口付近に座っている。
どうしたのだろうか、こんなこと初めてである。
心配だが、夕方まで待って早めにフードを届けた。
水を替えようと鉢を手に取ったら、なんと空、え、いつから空なのか……、だから空き家の入り口辺りにいたのかと、考えがいたらぬ自分に腹が立った。
フードは入れても食べない。
好きなフードを選んで差し出しても、近寄ってさえ来ない。
当然具合が悪いからではあろうが、万が一そうなった時ムギちゃんは、姿は見せないのでは、と思っていたが、まったく逆でびっくりした。
その日は深夜まで3回くらい行ってみたが、一口も食べなかった。
こうなると、フードに混ぜて与えるしかない投薬も出来ず、お手上げである。
こういきなりでは、どうしようもない。
昼間も人通りのないのを見計らって、ペットボトルの水を持って継ぎ足しに。
ただ、あれ以来鉢が空になっていたことはなかった。あれはいったい、何だったんだろう。
3日目、心配で夕方一度見に行ったが、すでに空き家を出たり入ったりしており、お、ちょっと違うぞ、と感じ、いつもより少し早めにフードを持参したが、なんと、ちょっと食べてくれた。
流動食のスープと、ささみのオヤツを半分、ちょっと残したけど。
あとでまた来るね、と声掛けし、夜中にもう一度フードを届けたら、またちょっと食べてくれて、はー、っと胸を撫でおろした。
今日は6日目、かなり回復して来て、以前の量の2/3くらいまで食べるようになって来ており、あー、嬉しや、よかった。
今回は、食中毒とか胃腸障害とかなのだろうか。
食が戻ったのでちょっと安心だが、猛暑がやっとおさまって来た、と思うと体調を崩すことが、高齢のネコさんはあるなあ、と思いながら毎夏給餌している。
なんせ推定14~15歳になろうかと思われる高齢のムギちゃん、せっかく猛暑の夏を乗り切ったんだもんね、もうちょっとで気温が落ち着いて、過ごしやすい秋が来るよ。