コラム「猫の手も借りたい」№217 トラミにゃ勝てないわ5

トラミは、11月半ばに退院し、それから5ヶ月が経過した。
その間2度入院したが、今は低空飛行ながらまずまずの状態である。

2回の入院のうちの1回目は、再び炎症数値が上昇し、また「膵炎」の治療をした。
それで数値は落ち着き、この入院後は週に1回の「輸液」に通うことになった。
この「輸液治療」は、膵炎の再発防止には効果が高いようである。

やれやれ、と思っていた矢先、左の鼻/左目の下辺りが腫れてき、食欲が落ちてきたので、再々度の入院となった。

トラミは2年前の春、ものすごいクシャミがあり、食欲が一気に低下したことがあった。
この時には残念ながら捕獲器にかからず、動画を撮影しそれを持って主治医のところへ飛んで行ったことがあった。
主治医は、鼻の中に何かあるのではないか、悪性の可能性も否定できない、との診立て。
もともと炎症抑えの薬は処方されていたので、抗生剤を追加で入れていただき様子を見ることになった。
それに、βグルカン系のサプリメントも併用した。

おかげさまでこの時はクシャミも取れ、食欲も戻ったが、それからも時々クシャミはあったし「ぐーぐー」という「鼻詰まり」も続いてはいた。

今回は、高齢であることも鑑み「悪性」の可能性も視野に入れ、どうしようか、と主治医と相談になった。
体力もかなり落ち、どうかすると炎症数値もあがってきたりする中で、副作用があるかもしれない「抗がん剤」を使うのは躊躇せざるを得なかった。主治医からは、「弱い」抗がん剤を使ってみる手はある、との助言。
それだと今なら体力面でも行けるのでは、とのことで思い切って抗がん剤に踏み切る結果となった。

よもや、まさか、この期に及んで「ノラ」のトラミに「抗がん剤治療」を行うなど、ユメユメ考えたことはなかった。
しかし、トラミは、いろんな危機を脱しごはんも食べ、外にいた時ほど自由はないが、あれから半年近くも暮らしているわけである。
その時は、1,7キロにまで減った体重が3キロを超えるほどに回復し、もし抗がん剤を使うなら今しかないな、とも思った。

さて、トラミさん、1度抗がん剤を使った段階で食欲が戻り、無事退院してきた。
抗がん剤は、1日病院にお預けしたりして行うことも多いが、今回は弱いものなのでそこまでは時間がかかることなく、当人(猫)の負担も少ない、とのこと。

一週間後、もう一度この治療を行った。
続きます。

2021年4月 くどいけいこ