コラム「猫の手も借りたい」№165 物差し

あっという間の1年が過ぎ、また新しい年が明けました。
本当に1年が早い、これって、年を重ねるうちに私の「物差し」の尺が異なっているのだろうか。
子供の頃の1年に比べると、時間が過ぎるのが明らかに加速しているような感覚。
これから「齢」を重ねるごとに、尺は短くなっていくのだろうか。

地球環境の変化で、災害が多くなった。
過去の物差しでは追いつかない、悪い意味での記録破りが続き、私たちの生活を脅かす。
人が変えてしまったであろう地球環境。
同じ「地球」と言う「船」に乗っているすべてのもの、もし、もし沈む船に乗り合わせているなら、今度は「ノアの箱舟」というわけには行きますまい。
今度こそ、英知を絞って一刻も早く手を打たないと、それこそ「猫」さえ手を貸してはくれなくなるかも。

さて、世界規模の話はさて置き、私のシマの話。
一昨年の暮れに口内炎が悪化し、フードボウルが血で真っ赤に染まり、私が青くなったトラミさん、また年を越しました。
ありがたいことです。
なっちゃんも、くーちゃんも、お陰さまで寒い冬に食欲もあり、胸をなで下ろしている。
11月にハウスも取り換えられるものは取り換え冬仕度は大丈夫だが、大雪が降ったりはやはり心配。
そうは言っても、これは抗うことが出来ない自然現象だ。誰にも止めることは出来はしない。
穏やかな天気が少しでも続くように、天に祈るばかりである。

昨年の初夏にうちで保護し、長らく「いそうろう」をしていた「ふうた」は、うちに迎えることになった。
体調が回復して4ヶ月ほど、一生懸命里親さんを探したが、残念ながらぴったりのご縁に巡り合わなかった。
たくさんではないが「うちの子に迎えたい」というご希望をいただいた。
本当にありがとうございました。
しかし、年齢がシニアに差し掛かっている/感染症を持っている/オスの成ネコ、などの条件が重なり、やはり難しかった。
ネコの「ホーム」も数件当たったが、感染症を持っているので「一生ケージで」というお話で、これまた、一生「檻」暮らしではあまりに不憫で、と思ってしまった。

私も間もなく、高齢者に手が届く年齢だが ふうた をうちの子にするという決心をし、大晦日に彼の首輪に「電話番号」を書きこみ、名前も「ペル」と改めた。
ペルシャのMIXで、もふもふのロングコートが美しい「おじさん」に差し掛かった ペル。
食欲旺盛で、保護時は3キロちょっとしかなかった体重が、9ヶ月で5キロちょっとにまで増え、今はダイエットに励む毎日である、やれやれ。
ドライフードOKで、爪とぎやトイレのお行儀もよく飼い易い良い子で、元気で長生きしてくれることを願うばかりである。

「ネコホーム」の話に戻そう。
昨今の「ネコブーム」でブームに乗りネコの飼育をされている方で、飼育途中で手放さなければならない方も、今後は出てくるのではないか、と予想する。
つい先日もそんな記事がニュースになっており、次の引き取り手として「子供は当てにしないで」との記述があった。
親は息子、娘に頼ってはいけないのか、それはペットについても同様のようだ。
ネコも昨今、びっくりするほどの長寿になり、それこそ飼い始めてから15年、20年先のことなんて、実際誰にも予想できなかろうとも思わずにいられない。
「ホーム」の需要はどんどん増えるであろうから、感染症などのハンディのある子の受け入れも進むことを願いたい。

今年もよろしくお願いいたします。

2019年1月 くどいけいこ