コラム「猫の手も借りたい」№77 トイレって
私は現在、職場ではデスクワークの仕事をしているが、昨年夏、隣の机に新人のお嬢さんが着任した。
このお嬢さん、素敵な方で話も合う。雑談しているうちに、なんと2歳の雄のチンチラを飼っていることが判り、写真を見せていただいたりし、そんな中私の正体(?)を明かしたところ、「実は折り入ってご相談が」と来た。
はい、なーに?と尋ねたところ、なんとその2歳のチンチラくん、室内でオシッコをしてしまい大変困っているとのことである。
オシッコはチンチラくんを自宅に迎えてからずっと続き、家具や敷物などにやられ、頭を抱えているとのこと。
そりゃあ大変だ、なんとかしないと。「オシッコ」の害は大変厳しく、どんなに猫好きの人でもその臭いと後始末に辟易していることが多い。
チンチラくんは、子猫の頃にブリーダーから直接購入したとのことであり、ブリーダーさんのところでは「ペットシート」で排泄していたらしいが、彼女の家にやって来てからは、プラスティックの四角いトイレに砂を入れて使うタイプではなく、屋根付きでトイレ部分は2段、上段に砂をサラっと並べ下段の抽き出しにペットシートを敷き、そのシートが取り替えられるようなトイレを置いているが、そこではしたりしなかったりらしい。
むろん、去勢手術は済ませている。
このトイレ、猫は上段のサラっと薄く敷いてある砂の上でオシッコをすると、「サラっと薄く敷いてある砂」、「その下の網」を通って下のペットシートに落ちて染み込むので、人はシートを取り替えれば砂も散らばらないし、片付けが楽ちんだ、ということで人気らしい。
砂も取り替えたり時々足したりするが、砂だけのトイレに比べると格段に手間要らずではある。
しかしこのトイレ、普通にオーソドックスな「砂を掘ってするタイプ」と比べると、気を付けないとチンチラくんみたいに失敗するケースがあったり、頭数が増えた時に複数の猫が上手く使えず、中には「膀胱炎」を引き起こした例も私たちは知っている。
猫は基本的に「砂」があればそこで用を足す習性を持っている。自分の排泄物が隠れる量の砂があれば、そこで上手にトイレをするのが猫なんである(と思う)。
だから、私たちは新しい里親さんに猫を渡す時、「最初は粒の小さい固まる砂のトイレを用意してあげて」とお願いする。それだと失敗するケースは本当に少ない(と思う)。
別のトイレに替えたければ、そのトイレに慣れたら段々砂粒を大きくする、2段式のものにするなど、徐々に替えて行くことをお薦めしているのである。
さて、チンチラくんだが、私は新人さんに「騙されたと思って、今のトイレの隣に、小さい粒の砂をたっぷり入れた大きめのトイレを用意してあげて」とアドバイスした。彼女はきっと半信半疑だったと思うが、早速トイレや砂を買い整え、ドンと隣に置いたらしい。
チンチラくんの反応やいかに・・・
くんくん匂いを嗅ぎながら、すぐにその砂のトイレに入って用を足したそうな!喜びのメールはそのまま、写真とともに送られて来た。やったね!
彼女の話を聴くと、今までは常に部屋の中でくんくん匂いを嗅ぎ廻り、いったいトイレはどこなんだろう、どこにオシッコしたらいいんだろうと困っていた風だったが、新しいトイレにしたとたん、ここがトイレだ!と認識し、迷わずそこにするようになったという。
いやー、私も面目躍如。
チンチラくん、良かったね、やっと安心してトイレが使えるんだもんね。
2014年3月 くどいけいこ
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