コラム「猫の手も借りたい」№72 平井 犬  上

kintaro te今回は犬の話しです。

埼玉在住のうちの叔父家族から「犬の里親になりたいが、どうしたら良い?」と連絡があった。こりゃあ良いことだと、早速ボランティア仲間に連絡し当たってもらった。

叔父家族は動物好きで、ハムスターやはつかねずみなどの小動物を始めとし、猫や犬も飼っており、現在は猫が1匹いる。犬はマルチーズとシーズーのMIXを飼っていたが数年前に亡くしていた。
イトコが、「そろそろ次を・・・」と電話をくれた。

次は「柴犬」を、と希望があった。TVの「和風総○家」なる番組の中で柴子犬が出てくるそうで、それで惚れてしまったらしい。

「柴」は日本犬。現在は「豆柴」なる、柴犬でも小型の犬が流行りだが、調べてみたらば「豆柴」なる犬種は存在せず、柴犬の小さめのものをそう呼ぶらしい。なるべく小さめの親(雌雄)をかけ合わせているらしいが、そうだからといって、生まれた子犬が大きくならないとは限らないみたいだ。

また柴犬は、ワンボスタイプといって、ひとりの人の言うことしかきかないこともあるらしく、誰にでもフレンドリーな犬種ではないということみたい。もちろん個体差もあろうが、これは日本犬に多く見られる特徴のようだ。そうか、秋田犬の「忠犬ハチ公」ってそのことか。

そんなこんなをイトコに伝えたが「柴」にこだわっている。こちらとしては室内飼育をしてもらいたいから、小さめの柴、で探してもらった。

お陰様で何匹か候補が上がった。その中で生後10ヶ月、未避妊の女の子を、というお話をいただいた。血統書はついていないが純血種だという。体重も7キロ強で大きさも申し分ない。早速写真を送っていただいた。

可愛いんだが、あれ?っと思った。柴犬っぽくない。のちのち詳しい人に聴いたら「差し毛」があり、これが「柴」っぽくない印象を与えているんだわね、とのこと。胴や頭の部分に濃い色の毛があり、茶色の柴犬のイメージではない。また、鼻もちょっとだけ長い感じ。

お世話下さったボランティアさんに尋ねてみたらば、「この子は九州のブリーダーから、生後2ヶ月でご両親へのプレゼントとして購入したらしいが、その後ご両親が体調を崩され散歩も思うように出来なくなったので、この子のために手放したい」という理由で里親さんを探している、とのこと。
うちの叔父家族のプロフィールはデータでお送りしていたので、ぜひお願いしたい、とのこと。
「柴っぽくない」という話をやーんわりと持ちだしてみたらば、購入した人の好みで、兄弟姉妹の中でもっとも柴っぽくない子犬を選んで空輸していただいた、とのこと。やはりそうか、そうだったのか。

イトコに写真を送ったら、やはり「柴っぽくない」と印象を伝えて来た。
「うちは、平井 堅さん(歌手の)の逆
でいいんだけど」という。
え、平井 堅さん??? 何のことだ?
イトコいわく、外国人とのハーフのように見える平井 堅さんだが、実は純粋な日本人だそうである。要するに、うちは血統にはこだわらないから見た目が「柴」が良い、とのこと。なーるほど、上手いこと言うな、解りやすい例えである。平井 堅さんもまさかこんなところで登場するなんて思ってもみないよね、すいません。

さて、純血種の生後10ヶ月柴ちゃん(女の子)、どうなりますやら。
後編を乞うご期待。

2013年12月 くどいけいこ