コラム「猫の手も借りたい」№71 近隣有志 下
チラシを配った後、特に何事も無く過ぎた。もっとも非通知の電話があり「そこの場所の猫に、餌をやっている人がいます」というのはあったが、依然としてどなたがやっているかは不明だった。
なんとか捕獲までに給餌をしていらっしゃる方とご連絡がつかないか、との思いで知恵を絞って作ったチラシだったが、残念ながら空振りに終わったようである。難しいなあ。
まとめ役の方々は、何日かに分けて近隣1軒1軒を回りご理解をいただくとともに、手術費用のお願いもされたとのことである
私たちボランンティアは、寄附や会計のことには関わらないスタンスをとっている。
結局、給餌をしている方とはお会いできないまま、捕獲に臨むことになった。
捕獲当日は雨になった。夕方から雲行きが怪しくなり、夜になって降ったり止んだり。幸い弱い雨だったから捕獲は予定通り行うことにした。
その日はスタッフ2名に加え、頼もしき助っ人がヘルプに来てくれた。ボランティア志望のTさんである。
初めてのボランティア参加で、好奇心に目が輝いている。見ること聴くこと全部が新鮮な様子、熱心である。嬉しいなあ。
捕獲開始。私はそれまでに何日間か足を運び給餌をしていたので、賢い猫たちは私を覚えており、ちゃんと寄ってくる。
捕獲器を仕掛け、猫たちの掛かるのを見守った。
捕獲後、捕獲器に入った子たちを速やかに車に運び入れる必要がある。ぐずぐずしていると、これから捕獲したい子たちに気付かれてしまうからだ。猫たちは賢いから、他の子が捕獲されるのを見ると「あの金属格子の箱(捕獲器)って怖い~」となってしまうから注意が必要である。
この運搬作業をTさんにお願いした。
2~6キロくらい体重がある猫たちの持ち運びは、捕獲器の重量も加わるので結構キツい。おまけに中の猫も動くので大変である。
さて、捕獲は順調だった。車の陰など視覚が遮られる、全体が見通せない場所に仕掛けると上手く行くし、他の子にも見つかりにくい。
運搬役のTさんは、というと・・・、初めての経験の彼女、「きゃっ」っと小さい声を上げながらも額に汗して一生懸命車に運んでくれた。
捕獲器のセットも含め約1時間半、無事に終了、時計を見たらば22時近かった。
私も平日の勤務が終了してからの捕獲は入れたくはないが、給餌タイムと動物病院の手術予約との兼ね合いもあるので、往々にして入ってくる。
本日は猫の取り残しもなく、安心して終了となった。
近隣有志の皆さま、Tさん、お疲れ様でした。
そうそう、後日談ですが、給餌をして下さっている方のお一人からご連絡があり、感謝の言葉とともに「手術代に」とご寄附のお申し出もありました。やり甲斐を噛み締めるひとときであります。
これで一件落着。
2013年12月 くどいけいこ
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