コラム「猫の手も借りたい」№70 近隣有志 中

te pinkuさて、この場所の避妊・去勢手術を行うにおいて、何度か現場の下見にお訪ねしながら、ご近所からお話を伺った。

そのお話では、この春に少なくとも2匹の母猫から計8匹の子猫が生まれたが、現在は春の子は「4匹」になっており、半数はいつの間にやら姿が見えなくなっていたとのこと。これは、春生まれの子たちがそろそろ発情を迎え、近親交配を避けるのに他の場所に移動した可能性が高い。

また、成猫も何故か少なくなっており、従って総数が10匹を切っている。
これは是非とも、常に猫たちの世話をしている方、つまりは給餌している人にお話を聴きたいと思った。
少なくなった成猫の状況が知りたいからである。給餌の時間帯や場所をずらして来ている子たちがいるかも知れない。その子たちが漏れては大変だ。

ということで、「チラシ」を作成した。近隣の方に配布し詳細をお知らせするとともに、給餌している人を探す目的も込めた。

チラシの内容は、まず、捕獲場所、捕獲予定日。捕獲予定日には、飼い猫は外に出さないようにお願いした。誤認捕獲を避けるためである。
給餌をしている人には捕獲日の早朝から終日、給餌を止めていただいた。餌で仕掛ける捕獲器に猫が掛かりやすくするためと、麻酔による誤飲事故の防止も大事だからである。

それから「猫の情報」を寄せていただくための工夫。せっかくの良い機会なので、この付近の全ての猫を手術しましょう、と情報提供を呼びかけた。
もちろん、手術の利点(繁殖しない、繁殖のための鳴き声やフン・尿臭の軽減など)や、手術済み猫を見分けるための耳カットや尻尾の毛刈りなどの情報も掲載した。

手術が終わって 戻って来た猫たちは、「ノラ猫」ではなく、「地域猫」として終生、給餌をしていただくとともに、置き餌防止やフン・尿始末の清掃、給餌場所もトラブルになる場所は避けて、などの注意事項も盛り込んだ。

「地域猫」になった印が耳カット、尻尾の毛刈りであり、「地域猫」としてのアピールになるわけである。

それからもちろん、手術費用の寄附もお願いした。この時点ではまだ、給餌をされている人からはご寄附の申し出がなかったからである。やはり、直接猫に係わっている方にはぜひ、このプロジェクトに参加していただきたかった。

出来たチラシは近隣へポスティングし、地域掲示板への貼り出しも行った。

続きます。

2013年11月 くどいけいこ