コラム「猫の手も借りたい」№41 このところ 下

さて、次はノラ猫が「ケガ(あるいは病気)をしている」というご連絡。

交通事故などであまりに状態がひっ迫しており、動かないとか、意識がない、などという時は、動物病院をご案内します。もちろん診察代も無料ではないと思われるので、その辺りの微妙なところをご理解いただいた上でになりますが。

症状がひっ迫していない場合でも、診せられるものならやはり動物病院への直接診察をお薦めしたりもしています。しかし、触れないノラ猫がほとんどなので、その時は症状をよく観察し、出来たら、その「写真」を撮っていただき、それを見せて病院のドクターにご相談いただいたりもします。デジカメや携帯電話の撮影機能は、ずいぶん助かりますね、活用が出来ます。

写真からケガ、病名の推察が出来、投薬をするとなると、与えている「フード」に混ぜるのが一般的です。投薬は大概1日では終了せず最低数日はかかることが多いから、その辺りも考えてのアドバイスが必要です。いきなり見つけて連絡を下さった人では、やりたくても出来ないこともあるわけです。

何のことにも、何人かで一緒に対応する方が安心だし、良い知恵も出ます。相談者だけでは解決が難しく、かといってボランティアばかりに頼られても上手くない。協同で事にあたれるように心掛けています。

一番残念なのは、「具合の悪い猫を動物病院の前に置いて来た」とか、「留守電に場所と状態を吹き込んで終わり」などといったような場合。「自分では出来ないから仕方ない、出来る限りのことはした~」とおっしゃる方もいらっしゃるかも知れませんが、そう簡単に解決できることはほとんどありません。

その後を託された側は、手間暇費用をかけてやることになり、もちろん色々な事情により対処出来ない場合もあるわけです。その出来なかった時の、託された側の辛いことといったらありません。袖すり合うも多生の縁と申します。どうか解決までご一緒に頑張っていただきたく思います。私たちも、出来る限りのことは致します。

<他には>

迷子の犬・猫を保護したとか、道で死んでいる猫は、どこで引き取ってもらえる?について。

「迷子」については動物愛護センターや近所の動物病院の他に、最寄りとその隣接の警察、保健所に迷子届けが出ている可能性もあるので、問い合わせる。
まだ日が経っていない場合には、これから届けが出ることもあるので、ご自分が保護している旨を先方に伝える。数日で飼い主が見つかる場合もあるが、一ヶ月近く経過しても飼い主が現れない時は、捨てられた可能性も高い。

「道で死んでいる猫」について。
基本的には、「最寄りの清掃事務所」に連絡。無料で引き取ってくれます。「清掃事務所」と言えど、決してゴミと一緒に燃やされることなく、きちんと動物だけで火葬にし共同墓地に入れて供養してくれます。清掃事務所連絡先はゴミ集積所のプレートをご覧ください(私有地の場合は有料)。
死んでいる猫が、明らかに人為的に殺害や虐待された疑いがある場合は、触れずに警察に通報してください(清掃事務所でも、同じ地域で不審死が続いたときは、然るべき行政に連絡するとのこと)。

 

2012年/5月某日 くどいけいこ