コラム「猫の手も借りたい」№35 わたしたち、何者?上

お陰様でPATも、活動開始から6年目を迎えることとなった。

そんな中、普段の様々な活動で関わった皆様や、その皆様から紹介された方、行政から紹介のあった方、またホームページも開設したりもありで、このところ「問い合わせ」や「協力要請」などの連絡が、けっこうな数、入るようになって来た。これも活動の賜物ですかしら、嬉しいです。 

「問い合わせ」や「協力要請」は、「ネコ」の件が一番多く、その中でもやはり「餌やってたら増えちゃった~」というのは多い。

そんな時、私たちはどう対応するかと申しますと、最初に電話でよくお話しを伺い、例えばネコを増やさない一番の有効手段は「避妊・去勢手術」ですから、手術をお薦めし、することに決まったらその段取りをするわけです。

手術のために「ネコ」を保護するには「保護(捕獲)器」を使うが、その使い方を説明して自ら保護出来たネコを動物病院に持ち込める人には、そのようにしていただいている。私たちスタッフもみんな仕事を持っているから、その合間を縫ってしかお手伝い出来ないので、自ずと時間の制限があるが、ご自分で対応出来る人は、自分の都合で比較的自由に動けるため早く解決出来る等の利点がある。

もちろん、例えばご高齢の方などはやはり「スタッフの助けがないと無理!」ってことも往々にしてあるから、その時は電話や時には直接お伺いして打合せをしたり、現場を見せていただいたりして協力体制をしく。

この時も、60代の女性Aさんからの依頼で「保護(捕獲)」の協力要請があったので、日時を決めて出向く手筈になっていたが、その日は運悪く「雪」の予報。あまり寒いと私たちも猫が出て来るのを待つ「待ち時間」が充分に取れないし、そもそも「雪」だと餌場に来ない子もいるので、依頼者のAさんと相談し「延期」と決った。

最初に保護を予定した日、天気予報はばっちり当り、「雪」だった。たまたま子猫の新里親さん先への引き渡しがあり、スタッフ数人が新里親さん宅で、子猫を囲んで「あーだこーだ」と話に花が咲いていた最中にスタッフの携帯がなった。

電話はAさんからだった。

「雪」が降っているが、保護予定のネコが現れたので急遽保護しに来て欲しい、というものであり、「え゛、だって今日は雪だから延期なんじゃ・・・」と言いつつも、ネコが来ていると言われたからには行かざるをえまい、とスタッフは重い腰をあげた。

車には保護(捕獲)器が積んであったので、1時間近く掛けて現場に向かった。到着し、Aさんに携帯で連絡、落ち合った。

保護器を持って車から降りた時、その保護器を見たAさんは「え、そんなもんで捕まえるの?!! 絶対に無理よ、入らないわよ」と言われた。

続きます。

 

2012年/2月某日 くどいけいこ