コラム「猫の手も借りたい」№34 猫の事故 ~誤食/誤飲~

お正月休み、松の内も終わり、また普段の生活が戻って参りました。

 くどい でございます。このコラムも2回目のお正月を迎えることが出来ました。ありがとうございます。

昨年(2011年)は、12月に「パトカー」を呼ばれるような事が発生し、この「猫の事故」の間にお伝えすることとした次第です。

その後は「腕章」を作成、着用し、同じことが繰り返されないように努めております。

そんなこんなで、また今年もよろしくお願いいたします。

 

<誤食/誤飲>

動物病院の待合室にいると、長い待ち時間の間についついお互いに話しを聴いたり訊かれたり。その時にたまに聴くのが、「とんでもないものを食べちゃった、飲んじゃった」話し。もちろん自分でも経験があるから、それも交えてのお話しです。

仕事場から帰ったらご自宅の猫ちゃんが床にうずくまっており、様子が変だと気がついたそうです。おでこを触ったら、指の跡がぺこりとつき「むくみ」があった。どうしたんだろうとテーブルの上を見たらば、噛み破った「シラス」の袋に気がついたとのこと。テーブルの上に出しておいた「シラス」を一袋丸々食べちゃってたそうで、この猫ちゃんは治療の甲斐なく亡くなったとのこと、急性腎不全とおっしゃっていました。

うちの坊主は、流しの三角コーナーの生ゴミの中から、サンマの骨を食べちゃいました。飼い主に似て卑しん坊です(笑)。魚や鶏の「骨」自体、食してしまうと、そもそも食道や胃を傷つけたりするから要注意ですよね。

「ゴミ」は衛生的ではありませんし、「味」があるものも良くない。それ以来うちは生ゴミはすべて手の届かない場所に処理してしまうことにしました。

味や匂いのついたラップも危険、マヨネーズや肉汁のついたラップを「食べ物」と認識する子もいるようで、食べたら消化はしませんから、怖いケースです。

ノラちゃん時代を経験している子は、通りすがりの人から投げて貰ったビスケットや鶏のから揚げの骨、ファーストフードの紙袋の中に首を突っ込み、油の匂いのついた携帯用ケチャップの容器を舐めたりしながら、何とか命を永らえて来たのでしょう。可哀想な経歴の持ち主なんですね。でも、それで逆に命を永らえ、縁あって飼い猫になることが出来た子たちではないでしょうか。

一度知った味データは、すでに猫ちゃんたちの舌に脳にインプットされてしまうのでしょう。忘れるのには永い時間がかかるかも知れませんが、「与えない」と決めてしまえば、「貰えない」ことを徐々に認識して来るかと思います。食べ物はすべて片づけておけば、お互い安心ですね。

ゴム、ひも、電気コード、携帯の充電器コードなど、長くて細いものを咬んだり食べたりする話しもよく耳にします。これはけっこう厄介ですね、片づけたり隠したりしておくことが出来ないものです。ここで飼い主さんの知恵や努力が飼育動物を守ることになりますよ。出来る限りの対応を考えて。

子猫は生後6ヵ月くらいの、乳歯が永久歯に生え変わる時期に、よく色々咬むことがあります。歯が生え変わるのに違和感があるのでしょうね。しかし、これも一過性のことが多く、その時期が過ぎると自然と咬まなくなる子がほとんどです。

異変があったら、様子を見ながら応対し、迷うようなら動物病院へ。

 

2012年/1月某日 くどいけいこ