コラム「猫の手も借りたい」№318 あなたも立ち上がって

このところ、体調を崩したネコたちのご相談が急に増えた。

昨今の猛暑、酷暑のせいで、特に高齢や子どものネコが暑さに耐えられず、弱ってしまっており、「なんとかなりませんか」「どうしたらいいですか」という相談が続々と寄せられる。
私も先月の半ば、ずっと屋外で面倒をみてきた「ムギちゃん」をピックアップしたばかりである。

本当にこの暑さ、われわれは「エアコン」を適度に活用し、身を守ってください、と盛んに広報されているので、それを守って熱中症や暑気あたりなどを回避しているが、屋外の生物はそうはいかない。
特に高齢の子、子ネコは、これだけ酷暑が続けばひとたまりもないのは、誰が考えても解ると思う。

「賃貸住宅に住んでおり家に入れられないので、お願いします」というのが圧倒的に多い。
私たちもなんとかして差し上げたいのはやまやまだが、そうは申せNPOでもできることには限りがあるわけで、申し訳ないのは重々承知の上で、ホームページにも「預かりを含め、引き取りはできません」と謳っているけれど、それでも弱った子をなんとか助けたい、との一心でご連絡をして来られるのだろうと察しがつく。

私どもはいわゆる「保護団体」ではなく、TNRを活動の基盤に置いて動いている団体だが、保護団体さんもこの状況、どこもいっぱいいっぱいであろうと思われる。
じゃあどうしたらいいですか! と言われるでしょうが、私たちも同じ気持ちです。

ボランティアと言えど、基本的にはポケットマネーで動き、各々が家庭を持ち、普通にお勤めをし暮らしを立てているわけで、みなさまとなんら変わるところのない「一般区民」である。賃貸住宅に住んでいる人も当然ながらいらっしゃる。
ボランティアと称してはいるが、特段ネコのための家屋敷を別にあつらえている、とかいうようなボランティアはレアなケースで、ほとんどのボラがみなさまと同じように生活し、その中でも少しでもお役に立てないか、と活動をしているのである。

私も20年ほど前に立ち上がり、ボランティア活動を始めた。
そのきっかけは、私が先輩のボランティアに助けてもらったから、であった。
私も困った人の少しでもお役に立ちたい、と思ったからに他ならない。

このところのテレビ番組の影響も多少なりともあろうかと思う。
規模が大きい団体なのか、ネコを保護して預かりボランティアに託し、いずれは譲渡に漕ぎつける、という流れを見ていると、ボランティアとはそうしたものだとも取れると思う。

しかし、そう簡単なものではないことは前号の「ムギちゃんのSOS」を読んでいただければ、少しはお解りいただけるかもしれない。
1匹を屋外から保護するのに、私はお願いして一部屋借りている。部屋代もお支払いした上でエアコンは24時間つけっぱなし。おまけに、現在は朝晩2回通って世話をしている(最初は1日に4回ほど通っていたが、2回にまで減らすことができてはいる)。
つまり「保護する」ということは、まあ色々なケースがあろうが、こういうことでもある。
なので、よほどの覚悟も必要だ。

テレビの影響もあってか、今は「保護」の傾向が強いように思う。
しかし、ボランティアはこれ以上ムリはできない、身の丈を越えることころまで来ている状況であろうと思う。

ご相談をくださるみなさま、どうぞ、そこを踏まえてお考えください。
たとえネコ1匹といえど、覚悟が必要です。

2025年8月 くどいけいこ