コラム「猫の手も借りたい」№310 サヨナラ、なっちゃん
「なっちゃん」が亡くなった。
キジ白のオス 2006年生まれの18才、この春で19才だった。
なっちゃん と呼ばれていたので皆さん、女の子と思われていたが「男の子」です。
見た目もちょっと華奢(きゃしゃ)で、女の子みたいだった。
大人しくて、優しいなっちゃん。
誰からも好かれあちこちでフードももらったり、一時期はおうちに入れてもらっていた模様。
その人が引っ越されてからは、うちに来ていたがまた鞍替えし、ご近所のお庭でここ4年半くらいは落ち着いていた。
近くに保育園があり、そこの園児たちが なっちゃん が大好きで、撫でさせて~、と。
なっちゃんはゴロンと横になり撫でてもらう(笑) 子供たちもちゃんと順番待ちの列を作って一列で待つ。
大体はネコは子供を嫌がるが、なっちゃん は嫌がりもせずに撫でてもらっていた。
園児のママたちも、そしておじいちゃん、おばあちゃんまでも なっちゃん、なっちゃん と呼んで可愛がってくださった。
時~々、口内炎のような症状が出て「抗生剤」を処方したりしていたが、昨年冬前頃から急激に衰弱した。
年内保たないかもと心配し炎症止めを投薬したら元気になったので、ちょっと安心していた。
水をかなり飲む様子、腎不全か糖尿病などが疑われたが、18才にもなっていたし陽当りバツグンのそのお宅のお庭が大好きだったので、そのままハウスで過ごさせていた。
食欲がないようで、今日は食べないと連絡があったが、その翌日は普段の食欲に戻り、ほっと一息。
その翌日、また食べないしかなりシンドそうな様子と連絡があった後、夕方ハウスを覗いたら息がなかった、と彼の最期を教えてくださった。
前の日までちゃんとフードを食べており、恐らく腎不全などの疾患から来た「心不全」では、とのドクター(薬を処方していただいていた)からのお話だった。
彼が生まれた2006年は、私が近隣の「飼い主のいないネコ」の保護と手術に踏み切った年。
なっちゃん は3匹の母ネコから生まれた12匹の子のうちの1匹。譲渡したうちの2匹はまだ健在だが、屋外に残った子は なっちゃん が最後だった。
こんなに慣れた子、なんで譲渡してやれなかったのか……、悔いが残って。
ごめんね、ごめんね、なっちゃん。
サヨナラ、なっちゃん。