コラム「猫の手も借りたい」№284 年の瀬に

実家の家族の病状がどうやら落ち着き、やっと私にも平静な日々が戻って来た。
突然の帰郷から1ヶ月ちょっと、長い時間だった。
実家が遠方だと厄介には違いない。高齢で何が起きてもおかしくない家族の状況に、実家滞在を余儀なくされた。

寒いし、車がないと動けない。心配を抱えたままで部屋に籠る日々。
天候が思わしくないので散歩もままならず運動不足に。あっという間にひどい「腰痛」、あまりの痛みに薬局で強めの痛み止めを選んでもらって、とにかく飲んだ。
広い平屋の実家は暖房のある部屋が限られ、暖房のない場所に行こうと思って移動すると、ヒートショックを起こしそうな状況。

東京の自宅にいればたくさんの用事があるけれど、実家ではすることもなく、ましてや入院中の病室にも週に一度しか行くことが許されず、私はほぼ毎日手紙を書いて、自転車で届けた。
風が強い川土手を走り橋を渡って往復40分、少しは運動にもなるかな、と。
でも、油断のならない病状は寝ても覚めても続き、コロナ、インフルエンザも流行期、友人に会うことも控えざるを得なかった。

3週間ほど経った時点で先が見えそれからは見る見る回復、おかげさまで新しい年を迎えられる運びとなり、胸を撫でおろした。

さて、東京の留守宅ではネコたちの世話を友人が買って出てくれ、手を尽くしてくれた。
本当にありがたい。
仕事をしていた頃は、外ネコの給餌も時間帯に幅があったが、ムギちゃんは現在、夜の8時から9時くらいと決めて与えており、どうしても一人の友人ではこなせない日があり、他の友人にもお願いした。
実家の逗留も当初予定を大きく越え、フードストックも底をつき買い出しもお願いした。

トラミさんの通院も、彼女を預かってくれている友人が、ひとりで頑張ってくれた。
その友人がペルも見てくれており、寂しがり屋のペルのために泊まり込んで世話をしてくれた。

こんな時はネコ仲間の存在が本当にありがたい。
心から感謝します。

帰京してペルの顔を見、わが家はいいなあ、と思っているうちに、あっという間に年の瀬である。
今年はいろいろあったのも確か。来年はどんな年になるのやら。
みなさん、どうぞ良い年をお迎えください。

2023年12月 くどいけいこ