コラム「猫の手も借りたい」№201 お留守番たち
5ヶ月も自宅を留守にしていたので、私の代わりにエサやりを引きうけてくれた友人は、本当に大変だったと思う。
心から感謝している。
一番心配だったのは、黒ネコのくーちゃんとキジトラのトラミちゃんで、2匹とも15才にはなっていると思われる、推定だが。
2匹とも年齢には勝てず、昨今はおばあちゃんの様相を呈してきた。
冬は、ハウスがあるのでそう心配はしていなかったが、それでもネコ風邪か時々体調は崩した。
問題は「夏」で、このところの猛暑は本当に気の毒で、老体には堪えるだろうと気が気ではなく、今年こそは夏を越せないかも、と覚悟(オーバーですね)しながら付き合ってきた。
農家さんや暑さが必要なみなさんには本当に罰当たりな話だが、毎日雨でもいいから涼しくして、神様!と天に祈ってばかりだった。
今年は東京にいないから手も足もでない。友人が様子を毎日知らせてくれて、くーちゃんの様子がおかしい、心配、と連絡をくれていた。
しばらくこなかった後、3日ほど姿を見せ、どんなフードをだしても口にせず、その後こなくなった、と知らせてくれた。6月の半ばの暑くなる前のことだった。
友人は、帰京してから「最後の3日間は、あなたを探してたんだと思うよ…」と静かに話してくれた。
トラミちゃんは、元気で過ごしており、私が帰京してから1ヶ月ほどは猛暑の中、大儀そうにはしていたが、なんとか乗り切った。やっと涼しくなってきた、過ごしやすいね、と胸を撫で下ろしたとたん、食べなくなった。
9月の4週目、まったく食べない。
フードの容器を前に置くと、数日は匂いだけ嗅ぎにきて、要らない、とそっぽを向いたが、そのうち容器を置くと逃げるようになった。
食べないと当然投薬も中断せざるを得ない。くしゃみや鼻詰まりの症状がでていて、気が気じゃないけど仕方ない。そうこうしているうちに姿が見えなくなった…。
トラミちゃんを諦めなければならないのか、と思うと屋外でもおいおい泣きたくなったが、ただでさえ変なおばさんなのに、さらに変なおばさん化してしまうから、ぐっと堪えた。
でも涙は次々と溢れ、用意したフード皿を濡らした。
そんな不安定な日が1週間ほど続き、心配ばかりしていたら、近所の塀の上にひょっこりと日向ぼっこしている彼女がいた。
あれ、と思って声かけてみた。
その頃から少しずつ少しずつ食べるようになってきた。
1度の量が少しなので、早起きして朝もお皿をだすようにしたら、それにも口をつけるようになった。
ちょっと落ち着いてきたかも、やれやれ、と今日辺り、思うようになってきた。
しかし、彼女の年齢からいくとお別れもそうそう遠くではないことも承知しており、精いっぱいのお付き合いをすることしかない。
そうしながら、こちらの覚悟が、だんだんとできてくるんだろう、とも思った。
その日が一日でも先ですように、そして彼女が安らかですように。
くーちゃん、お疲れさま。長いこと本当にありがと。
は~、涙がとまらない。