コラム「猫の手も借りたい」№197 イタチ
小さい茶色い動物が、道路を横切る。
最初はビックリし、なんだ?! と目を凝らしたが、イタチだと思い当たった。
何匹かいるようで、体調が、長い尻尾も入れて20センチちょいくらいのから、30センチ以上あるのもいる。
道路を横切るのを2〜3回見かけ、数日前は道路の上を茶色の枯葉が風でクルクル回ってるように見えたから、へっ?と思って見ていたら、なんと小さいイタチが走っている姿で、道路の脇の側溝に入っていった。
イタチ、なんだか可愛い。とっても可愛い。
ネズミを咥えていたり、いつだったかは実家の庭で鉢合わせした、さっといなくなったけど。
観察しているうちに、積み上がった枯れ枝の中に入って行くのを何度か見かけたから、どうやらそこが巣のようだ。
しかし、のどかだ、この辺。
実家の周囲で見かける四つ足の動物はネコくらいだったが、イタチもいることが分かった。
私の東京の自宅付近では、ネコに加え、タヌキ、ハクビシン、アライグマもいる。
民家の少ない実家付近にはなんでもいそうなんだけど、逆で見かけないなあ。
軒が重なるほど民家が密集し、隠れるところも多い、人も多いから生ゴミも多くある都会の方が、人に依存して生きる動物たちは住みやすいということなんだな。
この辺で見かけるネコも室内飼育ではなく、屋外に出している「飼いネコ」で、いわゆるノラネコは見かけない。
人が作る環境に順応して生きている動物たち。
そうやって人が住みにくくした環境の中、みんな懸命に生きているんだね。
そうこうしている間にお盆を迎えることになった。旧盆である。
実家に来てから間もなく5ヶ月、いや~こんなことになるなんて、ホントにコロナが恨めしい。
墓掃除をし、お盆の用意を始めた。
お盆の飾りつけにはお決まりの、「きゅうり」と「なす」。
子供の頃は何気に木の棒で四つ足を付け、仏壇の前に置いていたが、きゅうりは「馬」、なすは「牛」であることを知ったのはお恥ずかしい話、成人してからだった。
お盆は、ご先祖様にあの世から帰って来ていただく行事だが、そのご先祖様がこの世に帰るのに使う交通機関が「馬」と「牛」である。
まず、お盆でこちらに帰られる時は、きゅうりの「馬」に乗って、早掛けで来ていただき、帰りは逆に「牛」に乗ってゆっくりとあの世へお戻り願う、ということで「きゅうり」と「なす」が使われるのである。これを最初に知った時、なるほど~、と感心したものだ。
今年は3月からお仏壇に線香をあげ、お墓参りも毎日行った。友人は私の話を聞き「一生分のお参りしたわね」と笑った。
ご先祖様に話しかけ、お祈りをする、、、、大切な時間だったと思う。
2020年8月 くどいけいこ