コラム「猫の手も借りたい」No.196 カエル と クモ
暦も7月である。
今年の折り返しである。
この間の真夜中、ビックリしたことがあった。
私が悪いのであるが、さて寝ようと、網戸にしておいた窓を閉めカーテンを引いたら、「ボトッ」という音。
ふと音がした方に目を向けると、なんとベッドの上に緑色の小さなカエルが……
もうビックリ。一瞬家族を起こそうと思ったが真夜中、ちょっと憚られる時間帯。
さあ、どうしたものかと思案した。
小さな小さなアマガエルちゃん、そっと捕らえて屋外に逃すだけでいいのだ、と自分に言い聞かせる。
そうは言っても、正直素手で触る自信はない。
身近にあるものでまず押さえようと考えたが、カエルもパニック、ぴょーんと跳ねて、あっという間にベッドから床へ。とほほ、どうしよう。
追っかけるも奥へ奥へ逃げられ、とうとう見失った。
はあ〜、ため息。
その後も探したがいない。影も形もない。20分くらい探したが全く姿もなく、音もない。
もう諦めるか、いや、そんなワケにはいかないと思った瞬間、隣の部屋に繋がるドアの前にヒョッコリと現れたではないか。
すかさずドアを開け、隣の部屋へ誘導、隣の部屋は何も置いていないので、カエルが隠れる場所がない。ここまで来て、やった〜、一安心。
その後はキッチンから金属のザルを持ってきて被せ、ザルの下にボール紙を入れザル内にカエルをキープ、ボール紙ごとザルを持ち、ゆっくりと玄関を開け庭の茂みに送り出した。
我ながら頑張りました。1匹のカエルちゃんを救えて本当にホッとした。
というか、そもそもなんでカエルが室内にいたのか……
私の網戸の開け方がいけなかった。
網戸はいろんなタイプがあるが、開けると隙間ができることがあり、その隙間から室内に入り込んだらしい。
これからは十分に注意しよ!
さて、次は クモ の話。
実家に来た時から気になっていたことがある。
離れの玄関ドアのノブにクモが巣を張っているのである。
最初は、クモの巣をはらっていた。ところが翌朝には、また糸は張られている。
この状態がしばらく続いた。
いったいクモはどこから来てこの糸を張るんだろうか、といささか気になりだした。
そうは言ってもずっと見張ってるなんてできないし。
ある日突然、その疑問に答えがでた。
なんとクモは玄関のドアノブの中に住み、中と外を行ったり来たりしながら暮らしているようだ。
ドアノブの内部にはどうやら隙間があるらしく、クモの体はとても小さい。
しかし、すごいなぁ、動物って。
それからはドアノブの掃除はせずに、時々おでましになるクモちゃんに会うと、ヨッてな感じで声をかけ、観察している今日この頃である。
2020年7月 くどいけいこ