コラム「猫の手も借りたい」№190 コロナウイルスって?

「新型コロナウイルス」が猛威をふるっている。

最初にこのウイルスの名前を聴いた時から、私は「え、ネコのコロナウイルスとどう違うの?」ととても気になっていた。

コロナウイルスにより発症する感染症「猫伝染性腹膜炎」は、とても怖い感染症として知られている。
これと、今流行している「新型コロナウイルス」とはどう違んだろ?と思ってしまったのである。
私が出来るのは、せいぜいネット検索で読みあさるくらいしか出来ないけど、ちょっとあさってみた。

【(人の場合)元々ありふれた風邪を引き起こすウイルスで、風邪の原因の10~15%を占めるとされます。2000年代以降、SARS(サーズ=重症急性呼吸器症候群)、MERS(マーズ=中東呼吸器症候群)という病原性の高いタイプが登場しています】とある。

その前に「コロナ」って同じウイルスなの?
どうも、そうらしい。ウイルスの型?方式?みたいなもので、それにより分類され「コロナ」と命名されているっぽい。
ただ、【 】内にもあるように、人は、特に子供がかかる風邪で知られており(つまり昔からあった)、これは軽い症状で済むものだったが、私たちの記憶に新しい、 SARS(サーズ)/MERS(マーズ) は病原性の高いタイプ(重症化する、ということか)であったらしく、流行した当初はSARS(サーズ)/MERS(マーズ)も、「新型コロナ」であったのであろう。

では、「動物コロナ」はどうだろう。
【コロナウイルスは家畜や野生動物などの、我々の周りに棲息するあらゆる動物に感染し、様々な疾患を引き起こすことも知られている。イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの家畜に加え、シロイルカ、キリン、フェレット、スンクス、コウモリ、スズメからも、それぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出されている。多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こすだけであるが、致死的な症状を引き起こすコロナウイルスも知られている。家畜では豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、~中略~ ペットでは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)が致死的である。コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どない】とある。
【 】内に「それぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出され」とあるように、固有の、つまりそれぞれの動物により、少しずつ異なっているが、それは「コロナウイルス」に分類される、ということか。

しかし、ネコは致死的な症状を引き起こすらしいが、じゃあ例えば「犬」はどうなんだ?
犬もコロナウイルス感染はあるが、「まれに死に至る場合がある」となっており、犬は重症化することはほとんどなさそうだ。

ネコは発症するとほぼ救うことが出来ない、と言われる「重症化」するコロナウイルス。飼いネコの半数がウイルス保持個体とも言われるほど身近なウイルスだが、保持個体がすべて発症するということはないので、ご存じない方も多いのではなかろうか。
ネコの場合、発症すると怖いウイルスなので、この際お時間を作っていただいてちょっと調べて、知識として脳内抽斗にしまっていただくとよいと思う。

【 】内「コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どない」とあるものの、今回の新型コロナも、SARSもMERSも「野生動物」からの感染が疑われている。
野生動物との関わり方が問われる、昨今である。

2020年2月 くどいけいこ