コラム「猫の手も借りたい」№91 節分

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さて、「節分」、季節の分かれ目で、ここから暖かくなるんだが、寒い。
今年も昨冬に続き寒い。毎日冷蔵庫の中にいるように底冷えがする。
また、少しも寒さが緩まない。本当に困っちゃう。
人は暖房や重ね着で凌げるが、外の猫はそうはいかない。

2月の3日火曜日、突然、いつも庭にいる真っ黒の女の子が体調を崩したのか、食欲がない。
このコラムのチームアーカイブ「うらめしや~」でお読みいただけるとわかるが、前足を骨折した彼女を手術し、その後うちの庭にずっといる子である。
寒さがそれまでにも増し厳しくなり、天気予報では「一番大きい寒波が来る」と盛んに言っていた。

いきなり全く食べない。困った。
薬をやるにも、エサに混ぜるしかないので、食べないとOUTである。

好物や匂いの強いもの、ありとあらゆるもので釣ってはみるが、隣家の室外機の上から降りて来ない。
小者の私はそれだけで気が気じゃない。
彼女は高齢だし、今年の冬、なんかあっても仕方ないな、と覚悟はするものの、なんとかしなくちゃ、してやりたい、と思うのが人情。

朝、また室外機の上にいるのを見ると元気なさそうに感じ、心配なまま出勤する。とほほ。
いつも朝はドライをねだるのに。

2~3日ほどそんな状態が続いた。このまま室外機の上で下に降りられないほど衰弱したらどうしよう、などと思うが地上に降りているのを見かけた時は、たたっと走っていたりして、あ、私が思っているほど重篤ではないな、とも思った。

昼間はそれでも日差しが和らぎ、風さえなければ暖かいと感じる日中もあった。
寒さも和らいだからか、帰ると室外機の上から降りて来て、ごはん~とねだりちょっとずつ食べるようになって来た。好きなもの、食べやすいものを与え様子を見ていたら、朝もごはん~と来るようになり、やっと普段通りになったのが、1週間ほど経った辺りから。
はー、ヤレヤレ、良かったねぇ。

人間も風邪を引いたりお腹を壊したりと、体調を崩すこともあるから猫も同じだが、ヤレ病院で診察を、てなわけには行くはずもなく苦労する。
普段はあまり拝まない神棚に「お願いします」と手を合わせたり、亡くした愛猫の遺影に向かい「助けてやって」と話しかけたりする小者ぶり、治りませんなぁ、これは。

 

2015年2月 くどいけいこ

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