コラム「猫の手も借りたい」№87 体力負け
私、秋口に体調を壊した。
日頃健康には注意している方なので、あまり大きなことにはならないが、今回は珍しく熱が出た。
微熱だったが、その後風邪の症状が出て、これがなかなか引かない。
10日も症状が改善されないので、思い切って大きな病院にも行った。
ドクターは「くどいさん、特に気になる病変は見当たらないので、もう少し様子を見てください」とのこと。
風邪を引いて、正直ここまで症状が改善されないのは初めての経験。
とは言うものの今まではなかった、と思っても「その年齢のその時」は一度切りしかないのである。昨年の今頃は1歳若かったわけだしな。
まあ、ドクターの診立てを信じ、注意しながら様子を見ましょう、幸いにタマは元気なので、それは私にとってはラッキーなことだし。
そんな中でも、やはり毎晩ネコたちへの給餌は欠かせない、とほほ。
私も入院しているわけではないから、行って行かれぬことはないが、こんな時、代わってくださる人がいたらば非常にありがたく安心なんだけどな、今のところ夢だけど。
咳をコンコンしながら給餌していたらば、時々通る年配の男性がいきなり「そんなに好きなら、全部家に連れて帰って、家でやってよ!」と強い口調で足早に行き過ぎられた。
ちょっとお話し聴いていただけないですか~、とコンコンしながら追いかけたが、どんどん歩いて行かれ姿が見えなくなった。私も体調が思わしくなかったから体力負けか。
残念だが仕方がなかった。
地域猫活動には確かに、ノラ猫を減らすための「里親探し」という方法も提示されている。私が「地域猫」として我が家の周囲の手術、給餌などを始めた8年前には20数匹、その中で6匹の仔猫を里親に出し、1匹は我が家の子にした(タマである)。
その後体調が悪かったりケガをしたり(これは猫の話です)で、2匹を屋外からピックアップした。
現在レギュラーは4匹、たまに来る子は2~4匹、本当に静かになった。ここまで減らすには、自分で申し上げるのも何ですが、大変な労力と費用がかかっている。
私は、当然だが現在様子を見ている子たちは、すべて看取ってやりたい。
先ほどの男性がおっしゃるような、「猫たちを家の中に入れること」は非常に難しい。
人には馴れておらずさわることの出来ない猫を屋内に入れるということは、猫にとっては大きなストレスになる。
もちろん、縄張りもあるから、縄張りを守って暮らしている猫たちを一同に集めたところで、うまく行くはずもないのだ。
猫の習性を知らずしては、この活動を進めることは難しい。また、猫の習性をご存じでない方に現状をご理解いただくことは更に難しい。
今度体調が良い時にこの男性に会ったら、にっこり笑ってお話をしてみることにしよう。
2014年10月 くどいけいこ
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