コラム「猫の手も借りたい」№85 待合室で 下

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家族に迎えたばかりのペットは、たいがいの場合若くて元気いっぱいである。
万物はみな、若い時は美しい。それが年齢を重ねることにより、瑞々しさを失い、老いて行くのであり、それは誰しも避けられないことである。

もちろん、うちのタマの場合は家族に迎えた時が推定5~6才だったから、幼い頃、若い頃を知らない。

幼子の時はさぞかし可愛かったろうと思うが(親バカ)、どうにもならない。

話を元に戻そう。

待合室でペットとともに元気いっぱいの飼い主さんを拝見していると、「さもありなん」であるが、いっぽうで、老いたり病気やケガで苦しむペットと一緒の飼い主さんは、大変な思いをされているのは確実だ。同じ待合室で、お互いが思いやって時間を過ごして行けたらいいなあ。

さて、今年も子猫の時期がやって来た。
インターネットの里親探しサイトを開けると、もうもう、それはそれはすごい量でエントリーの子猫がずらり。
「インターネット」という、パソコンの前に座れば情報を発信できたり受け取れたりするアイテムが出来たお陰で「里親探し」は、大きな変化を遂げた。

無料で掲載して下さるサイトは前々からあったが、管理者側が更なる工夫をして下さり、より使いやすく便利になったのだ。

以前は近所のあちこちに「子猫、もらって下さい」の貼り紙をしたり、お友達や職場、学校などの家族内のアンテナを利用させていただく程度であった里親探しが、一般の方でもインターネットに情報を掲載出来るようになった。びっくりであり、良いことである。
ただ数がすごいから、どうしても手元に残ってしまう猫ちゃんがいるであろう。

待合室でも、昨日保護した、保護したばっかり、とミイミイ鳴くチビっ子をダンボールだったり洗濯ネットだったりに入れ、受診を待っている方を見かける。
可愛い声に、皆さん一様に「どうしたの?」と経緯を訊ねられ話が弾んでいることも多く、微笑ましい限りである。

何かのご縁で両腕の中に飛び込んで来た子猫である。その出会いを大切に見守って行って下さい。

 

2014年8月 くどいけいこ