コラム「猫の手も借りたい」№54 空飛ぶ子猫 下
飛行機を降りてドキドキしながらペット専用の引き渡しカウンターに向かう。預かり証を取り出してチビが来るのを待った。
係員の方がキャリーケースを持ち、こちらに歩いて来るのが見えた。鳴いている。生きている、良かった!というのが本音だった。
「(キャリーを)持ったらあまりに軽いので、子猫ですね?」と係員さん。包んであったネットからキャリーを取り出し、中を覗きこんだ彼女の顔、「可愛い、小さい!」と驚きの声。元気である。良かったね、チビ。無事に東京に着いたよ!
係員さんにお礼を申し上げ、次はモノレールに移動。そして電車、最後はまたバス、というふうに乗り継ぎ、実家を出てから約4時間かけて、東京の我が家へ辿り着いた。
はー、チビ、お疲れ様。長距離移動と気遣いとで私も疲れたよ。
少し休んで、午後の診療時間に合わせ近所の動物病院で健康診断。待合室でもチビは人気者、「あら、可愛い子猫ね!」とみなさん声を掛けてくださる。まったく物怖じしないチビは愛嬌を振り撒くが、チビ、撫でて貰うのは健康診断が済んでからね。
体重が540g、生後6週くらいですね、とドクター。検温、聴診、触診、検便、いずれも問題なし。風邪も引いておらず、角膜(眼)にちょっとした炎症があるものの、すこぶる健康。「山陰」から飛行機で来たくだりを話すとドクターもスタッフも眼が真ん丸になった。
ノミ・ダニなどの駆虫処置を終え目薬をいただき、チビスケは我が家へ帰って来た。
チビくん、ようこそ我が家へ。もう少し大きくなったら里親さんを探してあげるね。
遠方から飛行機で来たチビくん、元気に育ってくれるのを願うばかりである。
2012年12月 くどいけいこ
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