コラム「猫の手も借りたい」№308 歩道の先は大通り 上

少し前の話になるが、夕方頃、私どもの問合せフォームからメールが入った。

その相談者さんは職場からの帰宅途中で、歩いていたら住宅と住宅の間の狭い「通路」に子ネコを見つけてしまった、この場所は片側3車線の大通りに面した場所で、数メートルの歩道から出ちゃうと、この子は車にひかれかねない、との内容だった。

電話番号が書いてあったので、電話で状況を伺った。

相談者さんは、心配をして子ネコを見ていたところ、すぐ近くにお住いという女性が現れて、この子ネコはこちらで保護し、その後里親さんにお渡しするので心配しないで、といってくださったので、安心しました。ご心配かけました、と事態が進展したことを聞かせてくださった。

あー、よかった、と電話口のあちらとこちらで胸を撫でおろした。
電話を切った後で、そうはいっても通路から出て来ない子ネコを無事に保護(捕獲)できるのだろうか、万が一歩道に出てしまうと、そのまま大通りに行ってしまいかねないなあ、と一縷の不安を残して、この件は終了となった。

さて、翌朝早い時間に電話が鳴った。
飛び起きて携帯電話を確認すると、昨日の相談者さんだ。
え、なんかあった? と電話を取ると、昨日の場所で昨日お会いした女性が、子ネコを保護できないまま困られていて、どうしましょうか……、という内容だった。
は~、とりあえず子ネコが大通りに出たのでなくてよかった💦

話を要約すると以下のような状況。

この子ネコは慣れておらず、エサで誘き寄せると近くまでは来るが、触れない上にかなり威嚇をするので、保護できないままに一晩経ってしまった。
早朝来てみると、狭い通路の中に布を敷いたカゴが入っていたり、何種類ものフードも入れられたりで、複数の人が子ネコに関わっているような感じ。しかも、昨日まではおやつチュールで引き寄せられたのだが、今朝は怖がって近づいて来ない。さてどうやって保護しようか……

続きます。

本年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
みまさま、良いお年を。

2024年12月 くどいけいこ