コラム「猫の手も借りたい」№238 ぴちゃっ
夜中、熟睡していたら、いきなり「ぴちゃっ」という感覚に驚いて目が覚めた。
え、なに?!! と思ってみたらば、なんのことはないペルが私の顔に触っているのだが、その手が濡れている。はは~ん、水飲んだな(笑)、と判る。
ペルは水を飲む時、左前足で水をすくって口へ運ぶ。その足で私の顔に触ったというのが「ぴちゃっ」のわけでした。もう、驚くけど可愛い。思わずナデナデしちゃう。
ネコも「十ネコ十色」で、各々が不思議な動作や所作をする。
最初のネコ、チャオはなんかねだる時、私の足の甲に前足を乗せ、私を見上げ鳴きながらフミフミした。
寝っ転がっている時に胸やお腹の上で「フミフミ」はあるが、足の甲で、というのはこの子のみ。
もう、ずいぶん前に亡くなったが、私の足の甲は、彼のフミフミを覚えている。
女の子のタマは、私を起こすのに「イーッ!」というか、「ウェーッ!」というか、なんと例えたらよいか、強いて言えば仮面ライダーのショッカーの声、が一番近い。
とにかく「にゃあ~」と長くは鳴かない、短くわりとするどく鳴いた(なんだかなあ、ますます解りにくい(笑))。
ネコの鳴き声って、男の子の方が甘えた可愛い声を出す気がする。
この、カラカラに乾燥し極寒の中でムギちゃんは元気です。
風邪もひかず食欲も落ちずに、毎晩給餌の時間に行く私をひたすら待っているようで、私の足音を聞くと「にゃー」と鳴きながら走ってくる。ホントに健気ですよ(涙)。
さて、ここ最近は「置きエサ」もなく安心していたが、ある夜、行ってみると給餌をしている空き家の、小さなムギちゃんの出入り口が、板で塞がれているではないか。
その板は釘で打ち付けられているとかいうことではなく、立てかけた程度だが、風で飛ばされたりしないようになのか、太い角材が二重に置かれている。
うーん、誰の仕業かなあ……。ムギちゃんは、そこから出入りもしていたが、空き家はボロ家でもあるので、どこからでも出入り出来た。その出入口は、そこからフードを入れたお皿が出し入れ出来るので、雨風凌ぎに重宝していたのに。
でも、明らかにこの出入り口を使うムギちゃんを見つけたからに他ならないから、誰かが塞いだわけだ。
この空き家、いつ取り壊されても不思議はないけど、そのためになのだろうか……。
私は、給餌の時だけはその板を外し、その後板はまた戻している。
板があれば「誰か」さんは、ネコはここから出入りはしていない、と思うのではないか、と思ってのこと。
このまま、しばらく様子をみようと思う。
彼女のネグラもはっきりしてはいないが、その空き家の隣の隣の家に、縁の下がある。
縁の下は、今や貴重な存在、そこにいるのではないかと思っており、近づかないようにしている。
私が近づいたのを家人が不審に思い、追い出されでもしたらエライこっちゃ。
ムギちゃんも、推定で13才くらいにはなっている。
静かで平穏な日々を送ってくれるよう協力するよ、ムギちゃん。