コラム「猫の手も借りたい」№235 イヤーエンド
今年もあと数日で暮れようとしている。
毎年、あれよあれよで暮れていく。人生も同じようなもんか。
トラミさん、おかげさまで年越しが出来そうである。
ここ数ヶ月の間でも、何回か食が落ち、そのままダメになるか、とその度に思ったが、今のところドクターのバックアップも功を奏し、食も戻り体重維持が出来ている。
ドクターもスタッフのみなさんも、いい意味で「しぶといなあ」とおっしゃってくださる。
あまりに負担になるようなので、本人のために入院はもうしないことにした。
やはり自宅の、自分の気に入った場所が一番いいに決まってる。
とにかく、美味しいものが食べられてちゃんと眠れたら、それでヨシとしようよ、という、共に活動している仲間の助言、それもそうだ、と胸を撫でおろす。
トラミちゃん、くーちゃんの分まで長生きしてちょうだいな。せっかくお外からピックアップして救えた命、とことん頑張れ。
今年の暮れは寒さが厳しい。これだけ寒いと、ネグラのない子は危険である。
ちゃんと暖が取れ、体温が温存出来ないと命が危ぶまれる。
屋外に暮らす子は常に命を脅かされていて、心配が絶えないが、そうは言ってもなかなかどうにもならない。
つい最近、知人と電話で話していたらその人が「そうそう、ご近所のお宅で1才のチャシロが脱走したみたいで、友人が捕獲器を貸して差し上げたんだって」と始まった。
自宅敷地内の工場の中にいるらしく、そこに捕獲器を置きっぱなしにする、とのこと。
夜間の話だったので、工場であれば暖房などなく心底冷えるだろうから、
「捕獲器にかかってしまったネコさんは移動出来なくなるので、寒くても喉が渇いてもどうすることも出来なくなってしまう。そのままだとこの寒さ、低体温になったり脱水したりして命にかかわるから、ご面倒でも1時間おきに捕獲器を確認しに行っていただくようにお伝えください」
と、話したとたん、そうだわね、と友人。用件が終わらないうちに、電話がそこで一旦切れてしまった。
すぐに捕獲器を貸したお宅に電話して、このことを伝えたそうである。
電話はまたかかってきて、ありがとうね、いいアドバイスをいただいた、とお礼を言われ、その後用件の話に戻ったわけである。
翌日、また電話があり、幸いにもネコさんは捕獲器にかかっており、夜だったがアドバイス通りチェックしていたので、短時間で無事に室内に戻せたそうである。よかった~、とこちらもほっとした。
その後、そのチャシロくんの飼い主さんから おせんべい が届きびっくり。
見ず知らずのお方だが、飼いネコさんを無事に保護出来たのはアドバイスがあったから、とのこと。
いただいたお菓子もありがたかったが、そこまで思ってくださった飼い主さんに、こちらこそありがたくて(お菓子のことではなく)、逆にお礼を言いたいくらいの出来事だった。
ネコにかかわると、命にかかわってしまうことになり、判断を一瞬でも間違えると大変なことになってしまうような相談も多く寄せられ、時々青息吐息になる……
もちろん私も、ネコのことだけやってるわけではないが、それにしてもかかわり方の割合が多めであることは否めない。
力もないのに、と自問自答することばかりであるが、いずれかかわれない時の来るのも理解している。
肩の力は抜いて、出来る限り寄り添って行かれたらいいな。
今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。