コラム「猫の手も借りたい」№179 TNRのその後
先ごろ、たまにしか行かないスーパーで突然呼び止められた。
振り向くと、3~4年ほど前に依頼され「TNR」に伺った方だった。
北区の方で、40代のお夫妻、「飼い主のいないネコ」に餌ヤリをしていたら子ネコが増えてしまい、近隣の方とも相談した結果、うちのNPO法人に連絡をいただいたわけだ。
依頼があったのは、母ネコ1匹と春に生まれた子ネコ5匹、その上、秋に生まれた子ネコ3匹、計9匹。
秋生まれの子は生後2ヶ月程度だったと記憶している。
母ネコと春の子ネコは、すでに避妊去勢手術の出来る年月齢に達していたので、捕獲して病院で手術を施し、その証拠の耳カットもし、現地に戻した。
秋の子ネコは小さかったのでピックアップし、1匹はそのご夫妻がご自宅に置かれ、2匹は里親さん探しのお手伝いをさせていただき、無事に2匹での譲渡が叶い、幸せに暮らしている。
ご夫妻とは立ち話になり、今はとても落ち着いており、母子は元気にしているとのこと。
ご近所からも可愛がられ、地域のネコとして暮らしており、あの時にTNRに踏み切らなければ今頃どうなっていたか、と振り返られた。
当時、私たちは下見や捕獲で、3~4回おじゃましたと思う。
捕獲のため餌を止め、捕獲器をしかけてみたが、ネコたちは空腹でないことはすぐに判った。
近隣を見回ってみると、ご夫妻の近くのアパートの屋外に設置された洗濯機の上に、山盛りのキャットフードが、、、、(笑)
これではお腹空いてないはずだ。
さて、その後のご夫妻の努力は目覚ましかった。
1枚ずつ、ネコたちの写真を撮影され、近隣の方々に「このままネコたちを放置していると、あっという間に増えてしまうのでNPO法人と一緒に 避妊去勢手術をし、また、この地域に戻しお世話をします」というポスターを作成され、近隣にポスティングしたり、貼り紙でも対応されたり、と一生懸命だった。
その努力の甲斐あって、次に捕獲に伺った時はかなりの数が捕獲出来た。
その後ご夫妻は、手術を終了した子と、してない子の情報を載せたポスターを作成され、近隣の方にご理解をいただくとともに、未手術の子の情報を収集され、すべてのネコたちの手術が終了したのだった。
本当にありがとうございました、と頭を下げられたが、頭を下げたいのはこちらも同じ、近況をお話していただき「TNRのお陰で、住民の方に見守られネコたちもつつがなく暮らしている」と嬉しい結果が聴けたんだもの。
この活動のやり甲斐を噛み締めることが出来た次第である。
私のシマの飼い主のいないネコたちは、この猛暑を乗り切りった。
まあ、カツオのたたき や まぐろのブツ、鶏肉など、手を変え品を変え頑張ったのは言うまでもない。
いつもは何回か食が落ちる子が出るが、今年はなぜか食欲が落ちた子が1匹もいなかった、なんとありがたいことか。
また8月末頃にもう一度「猛暑」が来そうな予想ではあるが、さすがにあの状態は続かないのでは、と思っているが、どうだろう。
そうであって欲しい。
そうこうしているうちに、あっというまに9月になる。
今年は、発泡スチロールの「ハウス」をすべて新しいものにしてやろうと計画している。
みんな、長生きしてちょうだい。