コラム「猫の手も借りたい」№301 昨今のムギちゃん 上
ムギちゃんにちょいと面倒なことが持ち上がった。
「置きエサ」である。
ムギちゃんは、よそのお宅の小さな庭からいつも出て来る。
その奥にネグラがあるのか、そこから他のお宅に行くのか、正直ぜんぜんわからない。
2020年までは彼女は私のうちまでフードを貰いに来ていたが、新しいオスネコの出現に来られなくなったようで、エサ場に現れないムギちゃんの居所を突き止めた私がそちらに出向いて、すでに4年になる。
昨年の秋までは、近くの「空き家」に来てくれそこでエサやりが出来たが、その空き家が解体され、ますますエサやりが難しくなって来ていた。
ムギちゃんのネグラは、あくまでよそのお宅。
私は、そのお宅から出て来たムギちゃんを誘導し、ちょっと離れたところでエサやりをしている。
ということで、昨今は空き家でのエサやりより面倒なことにはなっているわけである。
その面倒が「さらに面倒」という事態にあいなった。
なんと、そのよそのお宅の小さな庭にここ1週間ほど、大きなソーセージ/揚げパン/から揚げ(たぶん)などが置かれるようになってしまった。
コンビニの紙袋を破いてその上に乗せたり、木の葉やティッシュペーパーをお皿替わりにしたりして「食べもの」を誰かが置いていた。
から揚げを たぶん と書いたのは、から揚げだとムギちゃんは食べてしまっていて、形が残っていないので、それで「たぶん」としたわけで、大きなソーセージや揚げパンは、ほぼ丸々残っており、ちょっとかじっている程度、だから誰かのエサやりが発覚した。
しかし、困った。
貼り紙や置手紙をしようにも、よそのお宅である。
そのお宅では私はエサやりをしていないので、そのお宅にはムギちゃんのことは断ってはいない。この辺りはなかなか微妙で、なんでもかんでも「OK」を取ってしたいところだが、そう簡単なもんでもなく、しかもそのお宅はほとんど人の出入りがないので、今のところはスルーして来ていた。
ムギちゃんには、夜の8時~10時くらいの間に一度、お腹いっぱいのフードを届けている。これは平成23年頃から変わらない。
ネコは賢いので、エサが貰える時間帯になると姿を現す子が多い。
毎日まったく同じ時間に私が行くことは、1年365日やるわけだから無理な場合も出て来るし、日に何回も、となるとネコはその度に巷に出て来るわけで、どうしても目立ってしまう。目立つことはマイナスも多く、必要以上に人の目に触れないほうが安全だ。
ということで、ムギちゃんと私はお互いの「ルール」を決めて(私の勝手か 笑)15年くらい、お付き合いをしているわけである。
続きます。