コラム「猫の手も借りたい」№290 キャリーバック

しょっちゅう動物病院に行くので、待合室でネコが入っている「キャリーバック」もいろいろ見かける。
デザインも使い勝手も研究されていて、ほほ~、と思って眺めている。
丸型、リュック型、多いなあ。
おまけにバックの一部が「透明」になっており、ネコも外が、飼い主さんも中のネコの様子がよく見えるようになっているものもある。
素敵な色やデザイン、おっしゃれー。

キャリーバックでは、実は私は怖い経験をしているので気を付けていることがある。

年くらい前か、正月明けてすぐ、東京には珍しく大雪が降った。
夕方、かなり積もったのを見て、雪には強いと自負していた私は「ヨシ!」と思い立ち、ペルをキャリーバックに入れた。
今日は絶対に病院は空いているだろうと踏んでのことで、待ち時間なしで受診できるのではと考えたのだ。
案の定、病院は誰もおらずペルはゆっくり診ていただけた。
もちろん、混み合っていてもちゃんと診察はしてくださる病院だが、それでもこれだけ空いていたら、いつもよりゆっくりペースだったと思う。

診察が終了し会計も済ませ、ペルが入ったキャリーバックを持ち外に出た私は、いきなり雪で滑って転んでしまった。
その時、右手で持っていたハードタイプのキャリーバックが私の右胸に当り、その場にうずくまった。
病院の受付さんがすっとんで来てくださり「大丈夫ですか?!」と声をかけてくださった。
私は「大丈夫よ、ありがとう」と応えはしたものの、痛みに息も絶え絶え、荷台にペルを乗っけた自転車を引いて歩いて帰った。

帰って来てからも、もう痛くて痛くて……翌日の午前中、整形外科を受診、なんと肋骨骨折との診断であった。
もし、ペルのキャリーバックがハードケースではなくソフトタイプだったら、私は骨折は免れたかも。
しかし、ペルは私に押しつぶされ命を落としたり、ケガを負ったかも知れない。

本当にキャリーバックが硬い「ハードタイプ」でよかったとつくづく思う。
私は骨折し痛い想いをしたが、ペルの命が守られてよかった、と心から思った。
何より、大雪の日に自分の過信から外出し、あのような結果を招いたことで反省し、これからは雪の日の外出は控えようと心に決めた。

このことがあってから、キャリーバックを使う時は気を付けている。
ハード、ソフトの両タイプを使い分けるようにしているわけである。
例えば雨天時はソフトのリュック型に入れて、背負ってその上から雨具を羽織るようにすると、ペルを濡らさずに済む。
普段はハードの固いヤツに入れて、自転車の荷台に置いて通院している。

このコラムを読んでくださっているみなさま、キャリーバックでネコを移動させる時はくれぐれも気を付けて、事故のないようになさってください。

それから、ネコはなるべく外からネコが見えないようにしたほうが落ち着く傾向があるので、
なにか1枚布でもかけて、外からネコが覗かれないようにして差し上げてください。
可愛くて素敵な愛猫、待合室で見せたいという方もいらっしゃるかもですが、ネコファーストでお願いします。

2024年4月 くどいけいこ