コラム「猫の手も借りたい」№187 続 投薬

さて、ペルの投薬、翌朝やってみた。

まず体の確保で抱っこ、これをいやがる。とってもいやがる。
でも、がっちり抱いてガード、その上に両前足を私の左手で掴んで押さえる。薬を口に運ぶ時、前足で私の手を払われるからである。
いよいよ、カプセル1個を右手でつまみ、ペルの口を開けながら喉の奥に押し込んだ。
なんのことなくゴクンと飲んだ、続けてもう1個、これもゴックン。
やれやれ、ぜんぜん大丈夫。もっともちょっと咬まれた。これは私がペルの左頬側から押し込んだからである。
口先から飲ませれば良かったものを、私が左脇から押し込んだため、口を閉じようとしたペルの歯が、私の指に当たった、ということ。口先からなら、一番アプローチが長いので、咬まれずに済んだと思う。
しかし、まったく問題なくすんなり飲んでくれた。やれ、嬉しや。

次は同日の夜の食後である。
朝の経験から、抱っこせずにそのまま飲ませてみようかと考えた。
私が横になっていると、ペルは私の胸に甘えて上半身を乗せてくる。その時がチャンスかと。

案の定、胸にもたれかかってきたので、そのまま口を開けカプセルを押し込んだ。
大成功、ぜんぜん平気で飲む。
タマは、食後に飲ませられることが解っていたので、様子を伺いながら私のスキを見て、さっと逃げていたが、ペルはそれもない。
結局、1週間14回の投薬をなんなく終了した。

これは、ペルが鈍感だからとかいうことではなく、やはり信頼関係もあったとも思うし、こんな時のために、私は日頃から私の指をペルの口に入れることを時々していた。
これも訓練にはなっていたのではないだろうか。

良かった、これでペルがのちのち何らかの病気に罹患した時に、動物病院さんと協同で治療をすることができる。

それから数日後、ネコ友と電話をした時に、この投薬のことを話題にした。
私は、それこそカプセルにペルが好きな味をまぶし、もっと喜んで、少なくともいやいやではなく(今のところ、ぜんぜんいやいやではないが)飲んでくれないだろうか、と言ったところ、ネコ友は「薬を包み込んで飲ませる、嗜好性の高い、柔らかい【粘土】のようなものがあるよ」と教えてくれた。

なんでも、キャラメルがちょっと柔らかくなった時に、指でこねることができるような感覚で、その【粘土状】の おやつ/トリーツ は薬をきれいに包み込め、それ自体を与えるとパクッと食べてしまうというのである
え、それ、みんな食べる?と確認すると「個体差はあるものの、好きな子は好きだよ」とのこと。
おまけに、いろいろな「味」のものがあるらしい。
え~!?そんなものがあるんだ、と電話を切った後、検索をかけてみた。
確かにある。早速、2種類購入してみた。投薬補助おやつ(トリーツ)というものらしい
これまた続きます。

2019年12月 くどいけいこ