コラム「猫の手も借りたい」№172 ワンダフル!
この冬は大した「雪」も降らず、春の兆しが見えて来た、あー、良かった。
うちの庭の「地域のネコ」トラミ嬢は、口内炎に苦しみながらも、また一冬越したようだ。
しぶといぞ~(笑)。
それまで使っていたフードの容器を私が不注意で割ってしまい、大泣きをしたことは過日のコラムにも取り上げさせていただいた。
その後、容器は取り替えざるをえず、他ので2~3試してみたが彼女は食事中に容器を度々ひっくり返してくれた。
食べているとしきりに右頬を前脚で引っ掻くしぐさをし、その脚がフードボウルの縁に引っかかり、ものの見事にひっくり返ってしまうのである。
これを見ていた友人が買って来て手渡してくれたのが、「犬用の器」である。
底の広がった、台形のプラスチック製の台に金属のボウルがきっちりはめ込まれ、よほど強い力でもひっくり返すことは難しい構造になっている。
これで給餌し始めるとボウルが傾くことがないので、私も安心して給餌出来た。
しかし、なんでこれ(犬用)に気が付かなかったんだろ。
さて、ボウルは替わっても、それで口内炎が改善されることはないから、相変わらずちょっと食べると痛そうに右頬を掻く彼女を見ていると切なくて、、、
それでも、彼女は食べるのを止めず、うち一番の大食漢(笑)。
ところが、あまりの痛みになのだろうか、ちょっと食べるとスゴスゴ退散するようになり私は慌てた。
一昨年の11月か、フードボウルが血に染まり私が青くなった経緯があり、一度捕獲器で保護し受診している。
だが、病院さんでも口の中を診察するというのは飼い猫でも難しく、隅々まで診るには「麻酔」をかけるなりしないと容易なことではないらしい。
トラミさん、大きな疾患はなさそう、とうことで抗生剤などの投薬で様子を見ることになった。
抗生剤もいろいろなタイプがあるのでそれを試していったが、正直これが効果的、という確信が持てないままであった。
それでも、なんとか食べてくれ、痩せることなく色艶も良く月日が流れて行ったのである。
ところがここに来て、痛みに耐えかねてかフードを残す事態になって来たのであった。
ドクターと再度相談をし、出した結論は「炎症作用」を鎮める投薬を、今後ずっと続けてみよう、ということに。
トラミさんは高齢で、ここからそうそう長い間生きていることが難しい年齢にも達しているし、やはり「食べる楽しみ」を最大限に確保してやりたい、と思ったからである。
さて、フードを残すようになってから数日後、1日1回の炎症止めの投薬に踏み切ったところ順調に回復し、
またもとのペースに戻って食事が摂れるようになり、胸を撫で下ろした。
今では頬を引っ掻くしぐさも、かなり減ったように感じる。
自分の容器が空になると、隣で食べている、食べ方のスローな黒ネコ「くーちゃん」のを横取りするようにまでなって来た。まあ、良いことだ。
くーちゃんの容器にはウエット+ドライフードも入っており、そのドライもトラミさんは「カリカリ」と食べている。
口内の痛みに固いフードは良くなかろうと(実際ドライは残していた)総合栄養食中心のウエットを与えていたが、なーんだドライも食べてくれんのかい?と彼女のボウルにもドライを入れられるようにもなった。
その方が体にも良いわけだし。
このまま美味しいフードをもりもり食べて、長寿を全うしてちょうだい、トラミちゃん。