コラム「猫の手も借りたい」№168 ボランティアってなんだろ?! 上
このところ「ボランティア」というものに戸惑いを感じることがある。
ブリタ〇カ大辞典で「ボランティア」を引く。
「無償で自発的に社会活動に参加したり,技術や知識を提供したりする人,またはその活動。社会福祉,教育,環境保全,保健など,社会全般を対象とする。一般的にボランティアの理念として,自分から行動すること,ともに支え合い協力し合うこと,見返りを求めないこと,よりよい社会の実現を目指すこと,があげられる。」とある。
私が一番に、そして頻繁にこの単語に遭遇したのは「阪神淡路大震災」1995年(平成7年)に発生した震災時であろうか。
震災の揺れが落ち着いた後、復興のために「ボランティア」の活動が開始され、大きく報道された。
それは、その後起こった「東日本大震災」という未曽有の災害時に、更に際立った感がある。
震災の「ボランティア」は、活動の条件が厳しく、移動/宿泊/食料など、活動に際し必要なすべてのものを自己調達し、その上に「現地にての登録」を行うことが必要である。
これは、本当に大変なことであると思うし、ギブ&テイクの「持ちつ持たれつ」という精神も、そうは言ってもそう簡単に実行出来るとも思ってはいない。
そんな中、昨年か、山口県で行方不明になったお子さんの捜索にボランティアで参加し、無事にお子さんを発見、ご家族のもとに送り届ける、という偉業を成し遂げられた「尾畠さん」という高齢男性のことが大きな話題にもなったことは記憶に新しい。
この男性の「ボランティアスピリッツ」は徹底しており、「無料奉仕」を貫かれたことでも共感を呼んだのではなかろうか。
私も齢(よわい)を重ねずっと自分のために生きて来た。
その私が、これからの人生でなにか出来ないか、と思い始めた時にライフワークのひとつとして取り入れたことが「飼い主のいないネコ」のボランティアであった。
はっきりと「この日から」という記憶も記録もないが、そろそろ15年ほどを数えるのではないか。
最初は「自分のシマ」を整えることから始めた。
TNR、私たちは「蛇口」を閉める活動と呼んでいるが、「飼い主のいないネコ」を餌付けし捕獲の上、避妊去勢手術を施してまた現地に戻すことを、徹底して行った。
と同時に「蛇口の下の床を拭く」、保護(主に子ネコ)活動も行った。
これを、同じシマの数人でやって行ったことで、数年でシマ内は落ち着き、それをやりながら参加した「NPO法人」での勉強や経験の中、「飼い主のいないネコ」で困った区民の方々の悩みやトラブルを聴く側に回ることとなり、丸4年が経過した。
この4年の間、数多くの問合せやご相談を受けることになり、私なりに精いっぱいのご対応を心がけて来たつもりだが、時々、自責の念に駆られることもある。
それは、ひとつには「ボランティア」というものの「解釈」のズレから生じることもあるように思う。
続きます。