コラム「猫の手も借りたい」№161 救出! 上

時々ある問合せで「ネコが〇〇に閉じ込められているようで鳴き声がするが、どうしたらよいか」とアドバイスを求められることがある。
私も実際、何度か救出した経験がある。

一度は、うちのタマがまだノラ時代に、近所の「物置」に閉じ込められてしまったことがあった。

タマは、その物置をネグラにし、細々と暮らしていたようだ。
ビニールトタンの物置で、外からちょっと透けて見えるので、タマ(その頃は「タマ」ではなかった)がそこにいるのは薄々知っていた。

ある日突然、タマの姿を見かけなくなった。
あれ、どうしたんだろう、、、と気を付けていたが、2日、3日と経つが現れない。
そうしたら、お隣さんまでが「そう言えば、あの子、見かけないわね」と言うではないか。
私は突然心配になり、夜中に仕事から帰ると(その頃は深夜まで働いていた)彼女を探した。

しばらく探したが姿がない。
深夜だから大きな声も出せず(昼間も同じか)、さて、どうしたもんかと。
そうしているうちに、ひょっとして?!と、いつもの物置をノックし「いるの?」と小さく声をかけてみたらばなんと「にゃー」とこれまた小さな返事が聴こえた。

さあさあ大変、もう何日も経っているから、夜中だったが物置のお宅を起こし、なんだかんだ言いつつ物置のカギを開けていただき、救出した。
後でそのお宅に話を伺うと、物置の壁に15センチ角くらいの「穴」があり、そこから猫が出てくるのを見つけた(タマですね)ので、その時点で穴を内側から塞いだ、とのこと。
塞ぎ方が不十分だったようで、物置には入れるが出られない、という仕儀に相成り、このような夜中の騒ぎに発展してしまった。

救出の翌朝、その物置の穴は依頼された工務店さんにより完全に塞がれ、行き場を失ったタマは、うちの子になったわけである。
しかし、タマは3日以上も閉じ込められていたのに、鳴くことはなかったので誰も気が付かなった。
これは、どういうことか、、、

他にも、近隣のアパートの空き部屋に1匹閉じ込められ、これは「にゃーにゃー」ずっと鳴いていた。

そこの上階には、その子を世話している人が住んでいたので、私が気が付いた段階で慌てて様子を聴きに行ったが、そのおじさんは呑気なもので、「ああ、数日前から鳴いてるよ」と来た。
大家さんに鍵を開けてもらってくださいね! と釘は刺したが、もう一度現場に戻り観察すると、トイレの掃き出し口(昔のトイレには床近くに「小さな窓」がついていた)が開いていて、そこから中を見たら「トイレの扉」が少~し開いていたので、よし!と取って返し、家から持って来た長い棒で扉を押してみたところ、なんと猫はそこから出て来たので救出することができた。

更に、もう1件は(けっこうあるなあ、こうやって書き出してみると)トラミさん(元気です)で、やはり突然、2~3日、姿が見えなくなった。
それこそ血眼で、「トラミさんやーい」と探しまわった。

続きます。

2018年11月 くどいけいこ