コラム「猫の手も借りたい」№153 ジジ

私は黒猫好きである。
断っておきますが、どっかの宅配便の回し者ではありません(笑)

黒猫は、黒い被毛が光を受けると美しくなびき、ほれぼれしてしまう。
キュートでしなやか、抱いている時、するりと手の中を抜けていく感覚が、なんだか好きである。

私が関わった「黒猫」は性格が極端で、ものすごいキツイ性格でまったく人を寄せ付けない、うちの庭のくーちゃん(前足骨折で手術したメス №22,23 うらめしや~上下 をご覧ください)のようなのもいれば、〇〇公園で拾って友人に託した太郎(№29,30 予期せぬ出来事 上下 をご覧ください)みたいな、本当にフレンドリーな子もいる。

太郎は、掛かりつけの動物病院さんでも看護師さんに大人気であり、受診する度に 癒される~、と言われるらしい。

黒猫は昔、外国では「魔女の手先」感ありで、忌み嫌われたことももあったらしいが、今時、そんなことを言う人はなかろうと思う。
日本では昔、職人さんが好んで飼ったとも聴いたことがある。
「黒猫」は縁起が良く、商売繁盛等の福を呼ぶ、とも言われたらしい。

ここのところ、と言ってもかなり前のことだが「黒猫」がクローズアップされたのは、ジブリ映画の「魔女の宅急便」のジジちゃんであろうか。
本当にジジちゃんは賢く可愛い、まあ物語の中だけれど。
あんなパートナーがいたら、毎日さぞかし楽しかろうと思う。

ジジちゃん人気にあやかって、お陰様で黒猫は人気がある。
だから「魔女の宅急便」のTV放映は、いつでも大歓迎である。
あれをご覧になった方は、「ジジだ~」と里親会で黒猫になびいてくださることもある。

いつだったか動物病院の待合室で順番を待っていたら、診察室から「ジジちゃん、〇〇(ここには飼い主さんの名字が入ります)ジジちゃん」と診察室に招き入れる声がし、お、っと思ったら「ジジちゃん」は黒猫だった。
思わずニンマリしたのは言うまでもない。

しかし、この間、変な話を耳にした。
英国では現在、黒い猫の譲渡率が一番低いとのこと。
ネットでの里親探しも「黒以外で」というのもけっこうあるらしい。
え~、なんで~、とよく記事を読んでみると、なんと黒猫は「インスタ映え」しないから、という理由らしい。
なんだと~、インスタ映えだあ?? ちょっと待って、飼育する上でなんの問題もないのに、こりゃちと酷い。
行き過ぎてるよ。

猫を飼う/一緒に過ごす、ということと「インスタ映え」が結びつくのか、、、、
自分でアニマルパートナーを作りたいのか、それとも全世界に何かを発信したいのか。
その両方なんでしょうね。

それには「黒猫」は都合が悪いということか。

いやはやなんとも、、、、

2018年5月 くどいけいこ