コラム「猫の手も借りたい」№148 新しいこと

ここのところの、東京都の「ネコの殺処分数」は減少の一途をたどっており、喜ばしいことである。
しかし、その内訳を見ると「子猫(乳飲み子)」が多い傾向は相変わらずのようだ。

小さな目の開かない子猫は、授乳をしなくてはならないので、母猫から離してしまうと人が手をかけないと生きていけない。
動物愛護センターに持ち込まれると、殺処分ということでもなく亡くなってしまう、ということであろうと想像する。
この現状に私は、少なからず心を痛めている。

ところで、東京都の中には「飼い主のいないネコ」に対し、数を増やさないようにするための避妊・去勢手術の費用助成もし、その上「飼いネコ」の手術分も助成する地区もあるのは、ご存知だろうか。
「目の開かない」乳飲み子が持ち込まれ、亡くなって行くことを考えると、やはり飼い切れない飼い主さんが自宅で生まれた子猫の対処に困ってのこともあろうかと思う。
そう考えながら、さてこれを何とか出来ないものかと、北区のNPOボランティア定例会で話し合っている中で立案されたのが、今回立ち上がった新しい取り組み「フューチャーZeroプロジェクト ~殺処分ゼロの未来へ~」である。

飼い主さんの中にはインターネットも使われず、相談先も見つけられないで、飼いネコの出産にどう対応して良いやら、困っていらっしゃる方もいらっしゃるのではないか。
特にご高齢の、この問題を抱えていらっしゃる方々とお話しし、避妊手術ってとっても大変で、「ネコさん」にとっても飼い主にとっても、負担がとても大きいのでは? という不安や、費用はいくらくらいで手術出来るの? うちのネコちゃんは痛くて、苦しいんじゃないの? 入院はどのくらい? 終わったあと(予後)はどんな感じ? と 色々お持ちの疑問に対し、出来る限りご説明し「避妊手術の有効性/必要性」をお伝え出来たら、と考えてのことである。

高齢者比率の高い「北区」では、実際、高齢者に対する広報も大きな課題のひとつであると思っている。
ゆえに、この新プロジェクトも、インターネットにたどり着けない方々に向け、多方面からのアプローチを心掛け、繋いでくださるみなさんにまず、お知らせしている次第である。
これで、1匹でも「小さな命」が救えるなら、立ち上げた甲斐があったというものだ。

それに加え、どうぜ毎月1回、定例会を開催しているなら、その場を「相談会」にも活用できないかと、また、誰かからアイデアが出た。
賛成!とみんなが頷いた。
もちろん、お陰様でホームページの「問合せフォーム」からは、けっこうな数の相談が寄せられるが、実際にお会いして相談をしたいという方もいらっしゃると思う。

やはりメールではなく、直接顔を見て話したい、というのはもっともだと拝察する。

ぜひ、ご来場ください、お待ちしています。

この2つの新プロジェクト、ぜひご支援いただきたくよろしくお願いいたします。

2018年3月 くどいけいこ