コラム「猫の手も借りたい」№126 お好きなんですね~ 下
えっと、頬を引っ掻くしぐさのトラミさんを迷った末に保護、動物病院の門をくぐり、いざ診察ってところでペンが止まり、、、
みなさん、気にかけて下さっているところですね、ごめんなさい。
実は、暮れ頃からタマの調子も気になることがあった。ちょっとずつ上がって来ていた「血糖値」がけっこう上がってしまい、結果的に年明け早々「インスリン」注射に踏み切ることとなった。
「インスリン」を使うのは私も初めてで、さてどうしたもんかと散々悩みはした。
というのも、タマは推定17-18歳、十二分におばあちゃんである。
毎回思う「強いているのでは」の自問自答に拍車がかかった。
「インスリン」投与には、2点気になることがあった。
1点目、また「注射」である。うーん、強いるよね、、、
2点目、インスリンの投与量を決めるために「入院」しなくてはならない。
「入院」、、、これってタマが一番苦手なこと。悶々と悩んだ。
このタマの件は置いて、まずトラミさんですね。
診察室でドクターに、「捕獲器」に入ったトラミを前に説明をした。
口の中を診るので、どうしても捕獲器から出さなければならない。
私は、いったん診察室から待合室へ返された。
中では慣れた手付きでドクターと看護師さんがトラミをネットへ移されているのが、ガラス張りの診察室なので見ることが出来た。
先生、みなさん、ありがとうございます。
私はまた呼ばれ、いよいよ口の中を診ていただくと、歯石ではなく歯肉炎のようだ。
私は「本当に大丈夫ですね、歯肉炎ですね」と念を押した。
元々、捕獲器に入りにくい、いったん捕獲した子の「再捕獲」であるゆえ、2度と捕獲出来ないかもしれないので、ここでしっかり「診断」していただかないと、命取りになることだってあるかもしれないのだ。
先生には申し訳ないし、失礼極まりないが「慎重」にならざるを得ない。
私も口中を覗かせていただいたが、不思議と歯石はほとんどついていなかった。うーん、外の子ってそんなもんなんだろうか、、、
歯肉炎に効果のある抗生剤の投薬も、割高だが一度で治るまで効果のある注射にしていただいた。毎日の投薬だとお互いがストレスだし、もし、ここで数日間トラミさんが餌場に来なかったりすると、と色々考えた末の決断である。
歯肉炎なので、また再発する可能性大であることから、飲み薬のあることも判って、有意義な受診であった。
注射の準備中、エリザベスカラーをつけられ保定されたトラミさん、ふと見ると「舌」が出ている。
口先にペロッと可愛い舌、思わず「うふ」っと小さい笑い声が漏れた。同時に看護師さんからも。
トラミさん、舌はしまってね、と声をかけた。
唸ったり暴れたりせずに、お利口に診察を受けたトラミさん、ありがとう。
これで、ごはんの後も楽になるよ。
診察を終え、我が家の庭にリリース。
さて、みなさん(我が家の地域猫たちですね)お待たせ、ごはんだよ~。
室内でごはんを準備し庭に戻ると、なにごともなかったかのようなトラミさんが、一番に並んでいる。
寒い冬、しっかり食べて乗り切ってね、トラミさん。