コラム「猫の手も借りたい」№282 NPO法人って
急に寒くなって、身体がついていかない。外ネコたちだって大変だと思う。
冷房も暖房もない屋外で、毛皮一枚でオールシーズンを乗り切って行かねばならぬのだ。
もちろん、被毛は冬仕様、夏仕様と生え替わるわけだが、それにしても寒かろう、暑かろう。
それをものともせず飄々と生きている彼らと付き合っていて、どれほどたくさんのことを学んだだろう。
なんでこの子たちはネコに生まれたんだろう……と、度々不思議に思う。
なまじっか知能が発達し「考える」という行為ができる人間は幸せなのか、不幸なのか。
ホームページの「問合せフォーム」から寄せられるご相談やお問合せ、それに対してなるべく早めに返信、場合によっては電話連絡をさせていただいてはいるが、ご要望に添えないことも多く、いつも力不足を感じている。
そんな中それでもアドバイスをさせていただいたり、誰にも理解してもらえないネコ事情をお聞きするだけでも、出来ることをやってみます、とか、気持ちが軽くなりました、とおっしゃってくださる相談者さんがいらっしゃり、こちらが頭が下がる。
時々、「おたくのNPOさんでお世話されている、〇〇公園にいる耳カットのネコたちについて」という内容の問合せ/ご相談をいただくことがある。
そのネコたちが公共の場にいるからなのか理由はわからないが、公園などに複数匹いる耳カットのネコたちはNPO法人が絡んでいる、と思われている人がたまにいらっしゃる。
不妊去勢手術をし、エサやりのお世話もされているんですね、という書き出しでメールが始まり、私もお手伝いしたい(なんとありがたい!)とか、もう少しこうしたら、とご提案をいただいたりもする。
これは裏を返せば、公共の場や不特定多数の人がいるところでのTNRも、一般の方々がおひとりだったりグループだったりでTNRをしてくださっている、ということを示している。
それほど、区内のTNR活動が進んで来ているということであろうと思う。
私どもも、ご要望があれば必要事項を整理し段取りを組んで、TNRに伺うことは日常茶飯事である。私どもの活動は「TNR」が中心なのだから。
SNSなどでもTNRの仕方、捕獲器の使い方など、たくさんの情報を目にすることが出来、そういった状況で区民のおひとりおひとりが、共に頑張ってくださっていることを感じる昨今である。
その証拠に、区内のノラネコ(飼い主のいないネコ)は着実に減って来ている。
ノラネコ(飼い主のいないネコ)事情は改善の道を辿っているようだが、逆に「飼いネコ」の問題が深刻化している。
コロナ禍で外出や旅行が制限されたこの数年、飼育動物数はぐんと伸びた。コロナも落ち着いて来たこの頃、そのしわ寄せが来つつある。
また、高齢化社会に拍車がかかる本国、「高齢者とペット」の問題は待ったなしのところまですでに来ている、と感じる。
私どもNPOも、少しでも貢献出来るようにしなければ、と考える毎日である。