コラム「猫の手も借りたい」№269 ヒト由来の感染症?
3月下旬、私、なぜだか風邪をひいた。
ただノドが痛くなっただけなのだが、「なぜだか」と書いたのは、このコロナ禍でこれだけ感染に注意しているのに、いったいどんなウイルス? 菌? に感染したのだろうか、とても不思議に思えたからだ。
症状が症状なので「コロナ外来」を受診、幸いにも結果は陰性であったが、そのまま持病のゼンソクに移行した。
ゼンソクの発作が起きたのは3年半も前のことで、それ以来風邪もひかずに過ごしていたので、ひっさしぶりの病気であった。
それから2週間、熱こそ出なかったがゼンソクの咳に悩まされた。一度出始めると止まらない咳、怖い。
主治医に「風邪ひくな、って言ってもひくからね、致し方ないよ」と励ましてもらっても、いつまで続くんだろうと不安な日々を送ったが、4月の2週目くらいからようやく体調が安定してきて、やれやれ、である。
思い返してみても「風邪」の原因は見当たらない。
気を付けても病気にはなるが、そうなるとトラミさんの補液通院も誰かにお願いしないとならず、究極はトラミさんが「入院」という手もあるにはあるが、トラミさんのストレスを考えると極力回避したいと思ってしまう。
まあ、なるようにしかならないか。
さて、新聞の記事を拾っていたら、なんとヒトから動物に感染しているのでは、と疑われる病気に「歯周病」がある、と書いてあった。びっくり。
『「歯周病」は歯肉や骨が溶けていく病気。主に歯周病菌への感染で起こり、日本人が歯を失う原因の1位。高齢者では半数を上回る人で進行している。』とのこと。
そんな中、一番影響を受けているのは当然ペットのイヌやネコ。飼い主が噛み千切った食べものをもらったり、飼い主の口の周りを舐めたりで感染しているらしい、とのこと。
また、なんと動物園の飼育動物にも歯周病は見られ、ライオンやクマ、アシカなどから歯周病菌が見つかっているらしい。
基本的に野生動物には歯周病は見られないそうで、私が周知している限り飼いネコでは歯茎が腫れたり、歯石がひどくて治療しなければならない子も多いが、確かにノラネコ(飼い主のいないネコ)にはその症状は見られない、と聞いている。
「ヒト由来の感染症」つまり、人から動物にうつる感染症のひとつに、歯周病があるということだ。
先ごろ新型コロナウイルスが人からライオンにうつり、ライオンが死んでしまったニュースにも驚いたが、もっと身近に人からうつす感染症があったのか。
歯周病は、お子さんが親からうつされることが多いため、気を付けられる親御さんも多いと聞く昨今。
ぺットにも注意しなくてはならないだなんて、たーいへん。