コラム「猫の手も借りたい」№259 ムギちゃんの災難 下

ムギちゃんに給餌を始めた10数年前は、まだまだ多くの飼い主のいないネコがおり、とてもその多くの子たちを自宅に迎えることは出来なかった。ネグラのないタマだけはうちの子にしたけど。

そんな中、ここ数年でどんとネコの数は減りはしたけど、そうは言っても2年前にピックアップしたトラミに手がかかり、もちろんペルもいるわけで(ランニングコストもかなりかかります、医療費もまあかかる)、残念だがムギちゃんのピックアップは現実的に難しい。

それに、10数年も屋外にいたムギちゃんを、元気なままいきなり家に入れても、一番困惑するのはムギちゃんで、突如自由を奪われストレスの中で生活していかなくてはならないわけで、もし屋内に入れるなら、体調を崩し屋外での生活が難しくなったタイミングしかないと思っている。
ムギちゃんはトラミ以上に気が強い、もちろん一度も触ったことない(苦笑)。

ご近所さんからしたら、あの人(私のこと)がいるからネコがエサをもらいに来るのよ、くらいの感覚であろう、まったく逆だけど。
好きで世話して、ほんと近所迷惑な人、って思う人のほうが圧倒的に多いと思っている、もちろん全部が全部じゃないけど。
私は今後も、あの人(私のこと)、ネコを家に連れて帰らない冷たい人、って思われるんだと思う(ひねくれてるな、私……)。
ネコといえど命を預かることって、本当に覚悟が必要だ。

毎日毎日給餌に行く覚悟、屋外にいるものでも責任を持つこと、簡単にやっているわけではなく、手を染めない(あなたのやってること、とても真似出来ないわ、と言われる)人とは腹を割って話す機会もなかろうし、平行線のままだ。

ごめんなさい、今日の私はグチっぽい。今回は吐き出させてください。

さて、肝心のムギ姫、二日目に早々と出て来た。
雨の日で心配もしたが、雨の止み間に行ったら、にゃお、と姿を現した。
いつもの量に鶏ささみ1本をプラスしたら、ぺろりと平らげた、よかった。

しかし、想像していた方向からは来ず、え、こんなところの先にネグラがあんの?!という場所から来て、そこに消えた……。
幸い濡れているふうも、風邪の症状などもなく、一安心。
しかし、彼女が出てきた場所は空き家から目と鼻の先だけど、エサを食べるには彼女が隠れる場所がない、やれ困った。つまり皿の置き場がない。
とりあえず、出て来た初日と翌日は道路傍に置いたが、自転車やバイクが曲がって侵入してくると危ない場所である。

さあ、どうしたもんだか、知恵を働かせないとならないな。
また、しばらく頭が痛い。
なんとか折り合いをつけて、ムギちゃんが安心して食事してくれるように、頑張ってこ。

2022年12月 くどいけいこ