コラム「猫の手も借りたい」№147 スノーマン

「スノーマン」雪だるまのことである。
この「スノーマン」は なっちゃん のことだ。
12才のオス、一昨年の5月にふっと姿を消した切りいなくなった「しんちゃん」の兄弟である。

なっちゃんは、女の子みたいな名だが、実際は「ナカオくん」という。
しんちゃんとナカオくんは兄弟だが、それぞれ別の動物病院で去勢手術をした。
その時に混合ワクチンをしたが、そのワクチンの種類が病院さんによって異なるため、判りやすいようにといっそ、病院さんの名前を勝手にいただいて、この兄弟の名前とした。
なので、なっちゃんも最初は「ナカオくん」と呼んでいたが、そのうち呼びやすい「なっちゃん」が定着した。
早めの手術もあってか、彼は図体は大きいが優しい可愛い顔をしておまけに人を怖がらないタイプのため、「大きめの女の子」と思っている人もいらっしゃる。

さて、このなっちゃんだが、まあ可愛い子で、鶏肉やナマリが好き、おねだり上手であちこちでフードを貰うらしく美味しい好物しか食べない困りものでもあるが、豪放磊落に生きて欲しいと願うお外の子であるので、致し方ないかな。

ネグラは、ここ数年はご近所のお宅に入れていただいており、そのお宅から出てくる彼を見つけちゃあ、「良かったじゃん」と安堵していた。

ところが、今年の冬はなっちゃんは、どんな事情があったか判らないが、うちの階段下のハウスで寝起きするようになった。
まあ、うちの2匹のお嬢さん(もうとっくに薹【トウ】が立っている、トラミさんとくーちゃん)とも仲良しで、問題はないのだが、、、

なっちゃん、本当に本当に困ったことが「ひとつだけ」ある。
うちのネコハウスは「発泡スチロール」を使っている。
発泡スチロールハウスは、段ボールのものとは異なり、段違いに暖かい。
だから、私はずっとこれを使って来たが、この素材で爪とぎする子も多く、真っ白の粉上の発泡スチロール素材がパラパラ飛び散り大変なんで、私はハウスを大きな袋で覆い爪とぎ出来ないように工夫している。
この防御策で今までは問題なかったが、なんとなっちゃんたら、ハウスの中で爪とぎするので始末が悪い。
ご想像の通り、食事に現れる時は、「発泡スチロールの粉」を体中にまとっておでましあそばす。
はー、静電気で体に貼り付いた粉は、まるで「雪だるま/スノーマン」のよう。
やれやれ。

発泡スチロールは、粘着テープ(コロコロですね)でも取りにくい素材のひとつで、掃除に難儀している。
まず、なっちゃんをキレイにしないと、と思うがこれが動くから難しい。
床に飛び散った粉は、ほうき、チリトリで掃いて片づけているが、これが静電気で貼り付き、もう一苦労、やれやれ

そんな攻防戦を続けていたが、ある日、ハウスの点検をしている最中に気が付いた。
なんと大きな穴がハウスの側面に開いているではないか。
早速、ハウスが1個ダメになってしまった、くー、腹立たしい。
はー、ハウスも注文しなくちゃ、それに掃除用に「ハンディ掃除機」買うしかないか、、、

2018年2月 くどいけいこ