コラム「猫の手も借りたい」№139 台風

このところ台風だの秋雨前線だの祟られて雨ばかり、全国的に「雨」の秋になってしまい、気が付いたらすでに晩秋である。
捕獲の予定が立たずに本当に困った「秋」であった。
私たちボランティアも基本的にフルタイムで働いている者が多く、平日夜、もしくは土日に捕獲を入れることが最も多い。
しかし、ここんとこ、週末に雨ってのがやたらと続いた。

仕方がないから雨天でも給餌できる猫は、小雨・大雨に限らず捕獲にお邪魔した。

地域ネコのリリース(地域への返し)で一番ネックなのは「雨」、つまり「水」。
キズに障るそうである。
まあ、それを逆手にとれば、リリースの時に「晴れ」ならば問題はない(かな?)、と言うことになる。
もちろん、捕獲場所が「屋根」付きならもともと問題はないわけだが、そうは言っても「屋根」どころか「廂(ひさし)」さえなく餌をやっていらっしゃる方もけっこう多い。
先の台風22号(だっけか)襲来の土日、捕獲の予定を入れた。
(台風が)それろ~それろ~、と願ってもここんとこはけっこう天気予報も当たる。
さて、台風襲来の土曜日の夕方、まだこれから来るってのにけっこうな雨だったが、リリース予定日の月曜日が「晴れ」予報だったし、お尋ねしたらば「相当な土砂降りでもフードを食べに来る(ネコたちが)」とのことだったので、下見も兼ねて行こう、ということになった。

同行は2名、区内で一緒にやっている団体さんからお二人が来てくださった。ありがたい。
Tさんは大きなワゴン車を操ってくださり、そのワゴン車のお二人に途中で私が合流した。
Tさん、なんと一度場所確認のために「車」を出してくださっていた。夜の移動だと昼間に比べて分かりにくい部分もあるので、現場が判っていることはとっても安心である。

着いてすぐに捕獲開始、1時間もしない間に6台用意した捕獲器は満杯になった。
「捕獲予定数は5匹」ということだったが、なんのことはない、まだ数匹はいる。
が、仕方ないから今日は終了、クライアントのお宅の「納戸」に猫たちを移動し1泊してもらい、翌日、避妊・去勢手術のためにお迎えに行った。

さて、雨である。まあ台風ですから。
天気予報では「用事のない方は外出を控えて」と盛んに呼びかけてはいるが、用事ありありである。

本日の送迎は、北区で一緒に活動するHさん、3年ほど前か、自宅のある団地の猫たちの手術をと依頼され、ヘルプに入った。
その時以来「私もぜひに」と活動に参加、勉強会にも熱心に来てくれている。
彼女は勤務時間が不規則なので捕獲活動にはなかなか参加できない、ということだが「猫を助けたい」と一生懸命だ。

大雨の中彼女の車に合流し、二人でクライアント宅へ。
軽なので小回りが利き、搬出場所ギリギリまで車を付けてくれ捕獲器に入った猫を運び込んだ。
そのまま、予約してあった動物病院へ。
昨晩の捕獲終了時に、病院さんには捕獲頭数を電話連絡しておいた。
病院さんは「台風だからどうかな、とこちらから電話しようと思っていたところ」とのこと。
術後のお迎えは夕方のため、いったん解散。

午後の診療の始まる16時に病院さんに電話、猫たちの状態を確認したところ、問題ないから診療時間内にお迎えをとのこと。
またHさんと二人で合流し、今度は逆のコースでお迎えに行き再度クライアント宅へ。
このころはものすごい雨、でも仕方ない、翌日は「晴れ」の予報、明日はリリース出来ると信じて頑張るしかない。
二人ともびしょ濡れであるが、捕獲器は念のためすべて「ビニール袋」でカバーしたので大丈夫。

やっとのことで猫たちをもとの納戸へ戻し、翌日のリリースについてクライアントと打合せをし帰路についた。
Hさん、本当にお疲れ様。

私が「Hさん、本当にありがとう、助かったよ」とお礼を言うと、彼女「いえいえ、休みが合わずなかなかお手伝いが出来なかったので、今日はやっとお手伝いが出来て、本当に嬉しいです。お疲れさまでした」との言葉が返って来た。

こんな気持ちで活動してくれている彼女に感謝の一日でした。
ありがとうね。

2017年11月 くどいけいこ