コラム「猫の手も借りたい」№136 ネグラ
今夏は「猛暑」の予報だったが、終わってみれば雨の夏で、外の猫たちにとってみたらば楽な夏だったに違いない。
うちのお外ちゃんたち、みーんな涼しい顔で夏を越した。
毎年「今年こそ、越せないかも」と思う昨今である。
まあ、みんな10才を超えた高齢猫ばかりなんで、どう処するか悩むところである。
でも、なんのことにも秋が来て良かった。
しかし、このところの異常気象で、台風の到来がまた脅威である。
たくさん来るし風雨も強い傾向にあり、外の猫たちにとっては命を脅かされる大きな要因となって来ている。
うちは玄関が2階なので、屋外ではあるが階段下にハウスを置き猫たちのネグラにしているが、風雨や降雪の時はその中で、みんな体を休めている。
1日の2/3は眠っているとされる猫は、安心して眠れる場所があるか否かで、寿命が大きく異なって来ると思われる。
うちは4個のハウスがあるが、大体3匹(固定メンバー)が使っている。
個室だが場所は定まっておらず、各猫、勝手に思い思いの場所を取っているようだ。
ハウスは、よく配達食材を注文すると使われる大きさの発砲スチロールが「1匹用」にちょうどよく、これを私は専門業者さんからネット注文で買っている。
以前、配達食材をやっているお店に電話をし「譲って(もちろん有料で)」とお願いしたが断られた。
もちろん先様には先様の事情があるので、だったらどうするかと頭を悩ませたが、ネットで注文することが出来ることを知りやってみたが、購入の最低ロットが「1ダース」とかなんで、けっこう嵩張る。
「普通の住宅の玄関から入れられますか?」と質問したりした、スーパーとかではなく自宅に届けていただくわけだから、広いローディング(搬入搬出口)があるわけではないので。
業者さんは、発砲スチロールのフタをとり、うまく組んで嵩張らないように出荷してくださり、なんとかうちの玄関もクリアし室内には収まったものの、けっこうなスペースを塞がれウサギ小屋暮らしの私にとっては「なんだかな」だが、致し方ない。
ハウスは毎年入れ替えをしており、そろそろ入れ替え時だ。
自分の匂いが付いていないものには、猫は警戒する。
安全を確認しないとなかなか使わないので、寒い中入れ替えると警戒し入れない日が数日は続くので、注意が必要である。
入れ替え時は、9月から10月初旬がふさわしいと思うので、そろそろ入れ替えないと。
剝き出しのままで置くと爪とぎをされ、細かい粉雪のような粒が静電気で猫に張り付き、黒さんが白さんになってしまう。掃除も面倒なんで、私は段ボールでカバーをこしらえ、その中にすっぽりと入れて置く。
猫たち、餌はもらえても「ネグラ」の確保はなかなか難しいようである。
秋生まれの子猫は寒い冬が越せず、たくさんの子が命を落とす。
春生まれは、それでも向かう季節が夏なので比較的暮らしやすい。
生後2ヶ月を過ぎると母猫からもらった免疫が切れ(飼い猫はここでワクチンを接種し、それを補う)、自力で暮らさねばならない。とたんに風邪などにかかりやすくなり、それが元で命を落としてしまう。
暖かいネグラは、外の子たちには必須だが、うちでさえ残念ながら全頭分のネグラを確保してやることは難しい。
近所のお宅の自転車置き場にある古い書棚、ガラスも割れ観音開きの戸は寒々としている。
その中で1匹、シマ三毛が縮こまって眠っているのを毎年見るにつけ、不憫でならないが、致し方なくどうしてやりようもない。
真冬はどんなに寒かろうと、切ない。
この古い書棚が処分されないように、毎年願い続けている私である。