コラム「猫の手も借りたい」№144 今年は春から

2018年が明けました。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、今年は新年早々、保護の依頼があった。
なんでも、大晦日にカラスに追われてコンビニの植え込みに逃げ込んだ子猫を助けたい、とのこと。
その依頼は1月1日 元旦の朝11時に問合せフォームから寄せられたもので、私はまだ、お恥ずかしいが布団の中にいた。
いつもは仕事をしているから、すぐにはお伺い出来ないことがほとんど。
今回は正月休みだし、今日なら(元旦だぞ!?)時間があるから大丈夫、飛び起きて早速、電話でご連絡した。

お話を伺うと、保護していただければ自宅に入れ、今後のことはそれから考えたい、とのこと。
幸い天気もよく、現場は私宅からそう遠くもないので、すぐに捕獲器や「エサ」などの準備をし、自転車で現場へ、12時過ぎにはクライアントの方と合流出来た。

場所は、埼京線のとある駅を出たところのコンビニエンスストアの、すぐ脇の植え込み。
その植え込みの隣は歩道、その横には大きな道路が走り、カラスにでも何にでも追われて道路に飛び出してしまえば、恐らく命はないだろう、、、

植え込みの中の子猫は、2ヶ月半~3ヶ月半くらいか、汚れた顔をしている。
痩せているふうはなく風邪もひいてなさそう、健康状態は良さそうである。
クライアントの方は、何度か保護を試みたが、引っ掻かれ(引っ掻き傷がけっこうあった)困り果てていたという。

さて、試しにエサをちょっと与えてみたが、用心しながらもパクついているので、捕獲器を使って保護することにし、準備を進めた。
捕獲器の中にエサを置き、さらに捕獲器に誘導する「撒き餌」をし、少し離れて様子を伺った。
空腹の子猫は夢中でエサを追いかけ、順調に捕獲器に誘導され、ものの3分ほどで「保護」となった。
安心されたクライアントは、その場で捕獲器から持参のキャリーバックに子猫を移して欲しいと言われたが、「屋外ではなく、室内でいたしましょう」と別の提案をさせていただいた。

捕獲器からなにか他の入れ物、キャリーバックやケージなどだが、それに移すことは出来なくはないが、万が一失敗すると二度と保護できないこともあるし、そのまま横の道路に走り出てしまったら目も当てられない。

私は、クライアントの方のご自宅までおじゃますることになった。
本当はその場で動物病院さんに行きたかったが、元旦の今日、近隣で受診が出来る病院が見つからなかった。

保護出来た子猫は、けっこう落ち着いており、捕獲器の中でも残ったエサを食べたりし、はーっと威嚇はするものの、とても可愛い顔をしており、慣れてくれさえすれば綺麗な猫ちゃんになるだろうな、と想像出来た。

ご自宅は大きな一戸建てのお宅、到着し先住猫さん2匹を子猫と隔離していただいて、保護のお部屋に捕獲器ごと連れて行き放すと、案の定ベッドの下に隠れてしまった。
外から保護した子猫なので2週間は隔離していただき、触れるようになったら動物病院さんを受診して下さいとお伝えし、先住さんがいるので、くれぐれも油断しないでいただくようお願いもし、お宅を後にした。

帰ったら1時を回ったところ、普通にコーヒーを入れお餅を食べるでもなくトーストで、朝昼兼用の食事を済ませた。

クライアントさんからは、御礼と子猫のその後の様子を綴ったメールがあり、
子猫ちゃん、優しい保護主さんと出会えて、ホントに良かったね。

今年は春から縁起がいいや。

2018年1月 くどいけいこ