飼い主のいない猫、すなわち、外にいる猫たち、いわゆる野良猫。この猫の問題はざっくりと書くとこんな形で発生している。

冬は寒空の中、雨風をしのげる物陰で夜が明けるのをじっと待ち続ける。夏は日陰のコンクリートの土間などの少しでも涼しい所を見つけ、暑さをしのぐ。家の中だけで暮らす飼い猫と違い、生活環境は非常に過酷であり、多くの人は自宅周辺の野良猫たちを見て、寒さで凍えていないか、えさは満足に食べているのか、暑さで喉が渇いていないのだろうかという気持ちを持つことと思う。そして、ちょっとしたおやつを与える方、えさを欠かさず食べさせる方が出てくるのは自然のことと考えられる。

しかし、猫たちも命ある動物であり、食べ物を摂取すれば排泄をする。猫が公園の公衆トイレを使うことはありえず、柔らかい土の上で排泄を済ませる。その柔らかい土は、だいたいが戸建ての庭の花壇であり、猫の増加に比例して被害も増えていく。そして、えさをあげている人と糞尿被害を受けている人との対立が生まれ、それがエスカレートしていくのである。

この段階までくると、飼い主のいない猫の問題はもう人間同士のトラブルであり、猫はきっかけでしかない。

 

では、どう対処していくか。

今いる猫の存在を認めた上で、トラブルのきっかけとなる食べる・排泄という生理現象への対応とねずみ算的に増える猫の生殖をコントロールする「本当の地域猫」の取り組みをひとつひとつ、確実に実施するのみである。

(1)猫のトイレを作る

→ 誰しも自宅にオシッコ・ウンチをされるのは気分が悪い。猫の習性を利用したトイレを作り、糞尿被害を軽減させる。

(2)えさをあげるルールをみんなで守る

→ えさは決まった時間に、容器に入れて、目の前で食べさせ、置きえさは厳禁。

(3)えさをあげている猫に不妊去勢手術をする

→ さらに猫を増やすことになる妊娠・出産を避けるため、不妊去勢手術は不可欠。

 

このように書くだけでは簡単そうに思うが、どれもかなりの負担がある。しかもどれか一つ欠けるだけで、効果は大きく損なわれてしまう

(1)猫のトイレの課題

→ どこに作る? どうやって作るの? トイレの資材は誰が負担するの? トイレ掃除は誰がするの?

(2)えさをあげるルールの課題

→ 地域の方々にどう知らせていく? 理解して守ってもらえる? えさをあげに地域外からやってくる人にどう対応する?

(3)不妊去勢手術の課題

→ 誰がどうやって捕まえるの? 手術をしてくれる動物病院は近くにあるの? 動物病院まで誰が連れていくの?手術費用は誰が負担するの?

 

これらをどのように取り組んでいくのか、問題解決のための問題がここに立ちはだかるのである。

(続く)

 

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