コラム「猫の手も借りたい」№47 2012夏 にゃんこの里親会

久しぶりに「里親会」を開催した。もっとも、3月に生後5ヵ月から1才くらいまでの大き目の猫ばかりの里親会を開催したので、「久しぶり」と言っても5ヵ月ぶりである。

「里親会」は、はっきり申し上げて大変です。

そもそも「会場の確保」からして、里親会を開催されている皆さんは苦労されていると思う。開催会場の条件は、道路使用許可証の有無も雨の心配(屋根がある場所)もしなくても良くて、なおかつ交通の便が良い場所が一番である。欲を言ったら駐車場も欲しい。

私たちも昨年冬に、お借りしていた開催店が閉店してしまい、どうしたもんだかと考えあぐねていたが、助け舟は来るもんなんだなぁ、条件にピッタリの場所、それも店舗内を丸々お借りして開催している。

私たちは幸い、条件にピッタリの場所を確保出来、これだけでもラッキーである。

インターネットでの里親さん探しが盛んになって来ている昨今だが、やはり里親会は人気がある。たくさんの猫を見て選ぶことが出来るから。また、会の主催者や猫の保護者と直に会って話をすることも出来るので、いわゆる「お互いの顔が見えない」という、ネットで一番心配な部分もクリア出来ることになる。

さて、里親会に参加する猫たち、このところ「エントリー」という言い方が一般的になって来たが、エントリーしていただくまでには、これまた費用と手間暇がかかる。

基本的に動物病院での健康診断は必ずお願いしている。ノミ・ダニや回虫、条虫などの駆虫に始まり、検温、聴診、触診などをしていただく。「猫風邪」を引いていたり、お腹をこわしていたりする子が多いので、その治療はかかせない。眼ヤニやくしゃみ、下痢など大概の子猫はなにか病気にかかっていることが多く、なんとか元気にしてやり、幸せになって貰うため保護主さんは一生懸命である。

それから「人に馴れている」こともエントリーの大事な条件になる。屋外で保護し室内で生活させ、ネコトイレが使える、人を威嚇したり恐れたりしない、という状況にならないと危なくてしょうがない。「シャー、シャー」威嚇したり、咬んだり引掻いたりしないように躾なければならない。外にいる子猫は馴れていることもあればダメな場合もあるが、生後2ヵ月以内ならまず大丈夫、3~4ヵ月になると日数が経つにつれ馴らすのが難しくなってくる。

こういった手間暇かかった努力が実を結び、エントリーして里親会に参加し、初めて「里子に貰われる」ことが出来るわけである。

外にいる子猫は、放置しておけばかなりの子猫が死に至る。それを保護し里親さんを探すということは並大抵ではないから、私たちも「ネコと人の架け橋」として頑張っている。

貰われた猫たちが幸せに、そして猫を貰ったご家族も幸せになっていただけるよう、その努力は惜しみません。

ぜひ、里親会にお越しください。お待ちしております。

 

2012年9月 くどいけいこ